マカオ、2023年1Qの旅客総消費が対前年127%増も1人あたり平均は14%減

 マカオ政府統計調査局は5月17日、今年第1四半期(2023年1〜3月)の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)結果を公表。

 今年第1四半期の旅客総消費額はインバウンド旅客数が前年同期比163.7%の大幅増となったことを受け、同127.1%増の149.8億パタカ(日本円換算:約2498億円)に上った。内訳は宿泊を伴う旅客が131.5%増の123.4億パタカ(約2058億円)、日帰り旅客が108.7%増の26.4億パタカ(約440億円)。

 今年第1四半期の旅客1人あたりの平均消費額は13.9%増の3027パタカ(約5万0480円)。内訳は宿泊を伴う旅客が40.3%減の4677パタカ(約7万8000円)、日帰り旅客が8.1%増の1141パタカ(約1万9030円)。中国本土旅客に限ると8.9%増の3899パタカ(約6万5020円)で、個人旅行客については45.1%減の3939パタカ(約6万5690円)。

 また、今年第1四半期の旅客消費の5割超(57.2%)をショッピングが占め、以下は宿泊の20.1%、飲食の17.4%と続いた。旅客1人あたり平均のショッピング消費額は29.2%減の1744パタカ(約2万9080円)で、主な購入品目としてジュエリー・腕時計が405パタカ(約6750円)、化粧品・香水が393パタカ(約6550円)、土産用食品が340パタカ(約5670円)。渡航目的別の旅客の1人あたり平均消費額では、バケーションが50.6%減の3851パタカ(約6万4220円)、ショッピングが20.0%増の2590パタカ(約4万3190円)、親族訪問目的が3.1%増の2059パタカ(約3万4340円)。

マカオの世界遺産・聖ポール天主堂跡前で写真撮影を楽しむ旅客(写真:MGTO)

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数の急回復が続いている。

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