マカオ、9月カジノ売上は約2760億円…1〜9月累計ではコロナ前同時期6割の約2.3兆円

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は10月1日、今年(2023年)9月の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年9月のカジノ売上は前年同月比404.2%増の149.37億パタカ(日本円換算:約2760億円)で、対前月では13.2%減。9月は伝統的な閑散期にあたり、繁忙期の前月と比較してカジノ売上が減となるのは正常。今年9月の特殊要因として、月初に台風の影響に伴い全カジノ施設が一晩にわたって閉鎖される極めて異例の事象が発生した。

 9月の営業日は30日間で、前月との比較で1日少ない。9月の1営業日あたりの平均売上は前月を0.57億パタカ(約10.5億円)下回る4.98億パタカ(約92.0億円)に。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスに作用しているとみられる。

 今年1〜9月累計のカジノ売上は前年同時期から305.3%増の1289.47億パタカ(約2兆3827億円)。変動率は前月時点から10.2ポイント拡大。ただし、コロナ前の2019年同時期からは41.5%減となるが、今年に入って以降は乖離幅が縮小傾向にある。9月単月では同32.3%減。

 なお、今年のカジノ売上は4月終了時点ですでに前年通期の実績を上回っており、政府が財政予算で設定した年間カジノ売上の1300億パタカ(約2兆4022億円)の達成も目前。今後はコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目される。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約2140億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1908億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2354億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2720億円(449.9%増)
・5月:155.65億パタカ=約2876億円(365.9%増)
・6月:152.07億パタカ=約2810億円(513.9%増)
・7月:166.62億パタカ=約3079億円(4082.9%増)
・8月:172.13億パタカ=約3181億円(686.4%増)
・9月:149.37億パタカ=約2760億円(404.2%増)
>1〜9月累計:1289.47億パタカ=約2兆3827億円(305.3%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆6660億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆4955億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆2655億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約4兆1245億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆9104億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆5960億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆4040億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆1168円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆6051億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7797億円(51.4%減)

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