マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…大量のコスメ製品押収

 澳門海關(マカオ税関)は11月10日、前夜にマカオ半島北部・關閘エリアにあるショッピングアーケード「關閘天地」の一角に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつにあたる。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給拠点のテナント=2023年11月9日(写真:澳門海關)

 税関によれば、事前に当該ショッピングアーケード内のテナントが運び屋への商品供給拠点になっているようだとする通報があり、職員を派遣して内偵調査を進めていたとのこと。11月9日午後、運び屋とみられる女1人が調査対象のテナントを出た後に追跡したところ、そのまま徒歩で關閘イミグレーションビルに入り、マカオ側から中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにある税関検査場で呼び止め、手荷物検査を実施。結果、女の所持品の中からまとまった量のコスメティック製品が発見され、女は税関の調べに対して物品は上述の場所でピックアップし、運搬協力費名目で報酬を得て中国本土側へ持ち出そうとしたと運び屋行為への関与を認めたという。

 これを受け、税関がすぐに調査対象テナントに対する摘発に着手。現場にいた責任者の女の身柄を拘束するとともに、店内で輸出入に必要な書類のないコスメティック製品73点、市価約6.5万パタカ(日本円換算:約123万円)相当を発見したとのこと。

税関が発見、押収したコスメティック製品=2023年11月9日(写真:澳門海關)

 本件に絡む運び屋と密輸品供給拠点の責任者の2人はいずれもマカオ人で、年齢は前者が46歳、後者が37歳。税関では、現場の責任者の女が運び屋を組織して高級品の密輸出活動を行ったとして対外貿易法違反で起訴するとともに、発見したコスメティック製品全量を押収済みとした。さらに、当該テナントは営業許可を得ていなかったことも発覚し、財政局の調べを受けることになったという。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。

対外貿易法違反で起訴された運び屋向けの密輸品供給拠点の責任者の女=2023年11月9日(写真:澳門海關)

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