コロナ禍でマカオのギャンブル業における人材需要低迷、平均月給も4.9%減=2020年第4四半期

 マカオは面積約32平方キロ、人口約68万人という小さな地域(中国の特別行政区)だが、およそ40軒のカジノ施設が軒を連ねるほか、競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府統計調査局は3月9日、昨年第4四半期(2020年10〜12月期)のギャンブル業(カジノ仲介人、カジノ仲介人パートナーは含まず)における人材ニーズ及び賃金調査統計を公表した。

 昨年第4四半期末時点のフルタイムのゲーミング業従事者数は前年の同じ時期から2.8%減の5万6613人。カジノディーラー職に限ると1.2%減の2万5164人だった。

 昨年12月のフルタイムのゲーミング業従事者の平均月給(賞与等臨時給含まず)は前年同月から4.9%減の2万3440マカオパタカ(日本円換算:約31.8万円)。カジノディーラー職に限ると6.1%減の1万9800パタカ(約26.9万円)。

 新型コロナの影響により、昨年第4四半期末時点における空きポジションは前年の同じ時期から417枠減の26枠にとどまった。

 求人条件については、要業務経験が50.0%、高中(日本の高校に相当)卒業以上の学歴を必要とするについても50.0%。要中国語(いわゆる北京語)と要英語がそれぞれ96.2%、92.3%。

 昨年第4四半期の新規雇用者数は86.6%の大幅減となる174人にとどまった。従業員雇用率は1.9ポイント下落の0.3%、離職率は0.8ポイント下落の1.0%、欠員率はゼロに近い水準となり、業界における人材需要の大幅縮小を示している。

 なお、昨年第4四半期のマカオの人口は69.31万人(期末)、労働人口は39.97万人、就業人口は38.88万人、総体失業率は2.7%。ギャンブル業従事者がマカオの総人口に占める割合は単純計算で8.2%、就業人口の14.6%となる。平均月収については、昨年第4四半期のマカオの就業人口全体の月給中位数である1万5000マカオパタカ(約20.3万円)を大きく上回っている。

 マカオでは、昨年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫対策強化等によってインバウンド旅客数の激減が続いている。昨年2月には防疫対策の一環としてカジノ施設の半月にわたる(2月5〜19日)一時休業もあり、再開後も現在までテーブル数を限定するなどのニューノーマル下での営業を余儀なくされている。昨年通期のカジノ売上は前年から79.3%減の大幅な落ち込みとなったが、中国本土との往来制限緩和を受けて第3四半期以降は復調傾向にある。

厳格な防疫措置を講じた上で再開したマカオのカジノの様子(写真:DICJ)

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