香港、新型コロナ市中感染確認25日連続ゼロ…輸入性は日本からの入境者含む4人、全員ワクチン2回接種済み=9/11

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があった。

 香港政府の発表によれば、9月11日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は4人とのこと。すべて輸入性(海外からの入境者)のケースで、市中感染確認例に限ると25日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者5人は、カナダ、日本、フィリピン、アラブ首長国連邦からの航空便で香港国際空港へ到着。全員が新型コロナワクチンを2回接種済みで、3人がL452R変異株感染だった。残る1人については変異株感染の有無を調べる検査の結果待ち。

 日本から入境した患者は52歳の男性で、8月22日に香港から米国に向かい、9月10日に日本から日本航空JL735便を利用して香港に到着。香港出発2日前に受けたウイルス検査結果は陰性だったが、香港到着直後に空港内で採取した検体から陽性反応が検出され、L452R変異株感染だったことも判明。患者は5月と6月に香港で中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチン「CoronaVac」を2回接種済みだったとのこと。L452R変異株感染で21日以内に香港滞在歴があることから、患者の香港の立ち寄り先周辺が強制ウイルス検査の対象となった。

 フィリピンから到着した患者1人は就労目的。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。両国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降、8日を除いて毎日出現している。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 香港における過去14日間(8月28日〜9月10日)累計の新規感染確認は49人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2143人(擬似事案1人含む)。

 香港の9月10日午後8時時点のワクチン接種率は64.1%(1回目の接種完了)、55.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は806万1852回、1日あたり接種回数は5万1392回(7日移動平均値4万5726回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示している。

 このほか、10日に英国衛生当局から香港衛生当局に対し、香港から渡英した女性1人が現地で感染確認されたとの通知があったとのこと。9月3日に香港からフィンエアーAY1337便で英国へ向かい、出発1日前に香港で受けたウイルス検査結果は陰性だったが、英国到着後の9月5日に受けた検査で陽性反応が出たという。

 さらに、日本における貨物船乗組員16人の感染確認に関する通知があったとのこと。この船は9月1日に香港へ到着し、2日から3日にかけて葵青コンテナターミナルで貨物の取扱を行った後に日本へ向かったもので、10日に大阪へ到着した際に感染確認されたとのこと。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun