マカオで今年7人目のツツガムシ病患者確認…患者は山の斜面での作業に従事

 マカオ政府衛生局(SSM)は7月24日夜、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病とみられる患者が新たに1人報告されたと発表。

 SSMによれば、患者はマカオで就労する中国本土出身の男性(51)で、7月5日に頭痛及び全身筋肉痛の症状が現れ、症状が持続したため7月12日及び13日に私立総合病院の鏡湖醫院救急外来を受診。13日に入院治療を受けることになった際の検査で、左の鼠蹊部から豆粒大のかさぶたがが1点見つかったという。その後、治療を経て回復し、22日に退院。症状、治療の有効性からツツガムシ病と臨床診断されたとのこと。患者は山の斜面のメンテナンスの仕事に従事しており、6月24日からタイパ島での作業に従事していたが、同住者及び友人らに同様の症状は出ていないと説明したという。

 マカオでツツガムシ病の感染者が確認されるのは今年7人目(7月2人目)で、すべて5月初旬以降の事案。このうち輸入性は1人のみで、3人についてはマカオ半島北部の望廈山市政公園の草むらの中を歩いたという共通点があり、タイパ島での報告例は今年初めて。マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケース。

 ツツガムシ病は日本で第4類感染症に指定されており、ツツガムシリケッチアと呼ばれる病原体の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつ。野ネズミなどの哺乳類に寄生するダニの一種、ツツガムシのうちの一部が媒介者となる。ツツガムシが生息する野山や河川敷で罹患することが多い。ツツガムシ病の初期症状はインフルエンザににており、食欲減退、頭痛、悪寒、高熱などがみられ、4、5日目には発疹が現れる。放置すると肝臓や腎臓の機能にも影響が及ぶといわれる。現在、予防ワクチンはなく、抗生物質を服用することが有効な治療法とされているとのこと。

 SSMでは、野外活動の際にむやみに草むらに入らない、肌の露出が少ない服装を心がける、ダニに効く虫除けスプレーなどを使用するなど、感染防御策を徹底するよう市民に呼びかけている。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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