中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が3日連続2千人超…オミクロンBA.5流行の海南省が約半数=8/14

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月15日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月14日の中国本土における新規市中感染確認者数は692人(前日から69人増)だったとのこと。内訳は海南省582人、チベット自治区69人、広東省12人、浙江省8人、福建省6人、青海省3人、内モンゴル自治区2人、重慶市2人、四川省2人、上海市1人、江蘇省1人、江西省1人、河南省1人、陝西省1人、新疆ウイグル自治区1人。このうちチベット自治区の24人、海南省の13人、浙江省の6人、広東省の2人、四川省の1人、青海省の1人、新疆ウイグル自治区の1人の計48人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは303日連続で、11日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は1620人(前日から224人減)。内訳は海南省580人、チベット自治区523人、新疆ウイグル自治区343人、江西省52人、新疆生産建設兵団40人、浙江省28人、湖北省10人、内モンゴル自治区9人、四川省6人、青海省6人、上海市5人、河北省4人、広東省4人、広西チワン族自治区3人、陝西省3人、福建省1人、河南省1人、重慶市1人、雲南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は2312人で、2日ぶり減となるも、3日連続2千人超、5日連続4桁に。

 8月14日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は5873人(うち輸入性が677人)で、重症者は12人(輸入性2人)。無症状の患者1万0999人(輸入性696人)が医学観察下にあるとのこと。

 省区市別で最多となったのは8月1日から三亜市を中心にオミクロンBA.5.1.3の流行が続く海南省で、約1100人。三亜市では連日1千人超の感染者が出現していたが、14日は約770人に。同市の8月1日以来の累計感染者数は約7300人に上る。同市はリゾート地として知られ、多くの旅客が滞在を余儀なくされる状況となったが、少しずつ島を離れる手配が進んでいるとのこと。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月5日以降8日連続で2桁の感染例が出現。14日の新規感染者数は14人で、うち12人が湛江市から報告されたケース。同市では省外から流入したオミクロンBA.5.1.3とBA5.2派生型の2つの伝播チェーンが存在するとされる。その他は広州市と深圳市が各1人。

 また、このところチベット自治区でも連日多くの感染者が出現しているが、14日の感染例はラサ市が過半数を占め、すべて隔離対象者の中から発見に至ったケースという。新疆ウイグル自治区でも連日3桁の感染例が出現するが、当地では無症状が種となっている。

 他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では4〜5千前後(輸入性含む)となっている。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。以降は落ち着いた状態を維持している。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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