マカオ、消費電力の8割を中国本土からの輸入に依存

世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。面積約30平方キロ、人口約64万人という小さな街だが、21世紀に入って以降、大型IR(統合型リゾート)のオープンが相次ぎ、24時間営業カジノ施設が30軒以上も建ち並ぶ。

マカオの電力消費量はカジノ市場の拡大とともに右肩上がりの伸長を続けており、その大半を中国本土からの輸入に依存しているのが現状だ。

マカオ唯一の電力会社、マカオ電力(CEM)のシュ・カイチェン(許開程)会長は3月1日に開催したメディアイベントの中で、昨年(2015年)の電力消費量が前年から6.2%増となり、過去最高を更新したことを明らかにした。

また、同社エグゼクティブコミッティのバーニー・リョン(梁華權)会長によれば、昨年のマカオにおける発電量が前年から73%増だった一方、中国本土からの輸入が1.1%減で史上初の下落に転じたという。昨年末にかけて燃料価格が下落したことから、マカオにおける発電コストが中国本土からの輸入を下回ったためとのこと。ただし、依然としてマカオの総電力使用量の81.6%を中国本土からの輸入でまかなわれたという。

マカオは電力だけでなく水道についても中国本土から供給を受けている。ライフラインだけでなく、生鮮食品や日用品などの生活必需品の大半も中国本土からの輸入に頼る。さらに、訪マカオ旅客の7割を中国本土からの旅客が占める。

昨今、香港と中国本土の間では様々な摩擦が表面化しているが、マカオでは全くといっていいほど波風が立たないのは、それぞれの依存度の違いによるものとされる。

華やかなカジノのネオンサイン(資料)=マカオ—本紙撮影

華やかなカジノのネオンサイン(資料)=マカオ—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ金融管理局は11月14日、今年(2025年)10月末のマカオ特別行政区の外貨準備高(外匯儲…
  2.  マカオの観光名所のひとつとして知られるマカオタワー前の西灣湖広場で毎年秋に恒例開催され、今年(2…
  3.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2025年)1〜10月累計の…
  4.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角、SJMリゾーツ社系の衛星カジノ施設のひと…
  5.  マカオでは、年に一度のモータースポーツの祭典「第72回マカオグランプリ」がきょう(11月13日)…

ピックアップ記事

  1.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  4.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…

イベントカレンダー

11月 2025
      1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
« 10月   12月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年11月号
(vol.149)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun