マカオ、すでに人口の6分の1が感染…政府モデル試算=ウィズコロナ急転換から約2週間

 マカオでは、12月初旬から事実上ウィズコロナに急転換となり、各種防疫措置の緩和が一気に進んだ。

 マカオの人口は約68万人だが、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超で世界最高水準という地理的特徴がある。政府は12月8日の会見で、各種防疫措置の緩和によって短期内に人口の5〜8割が感染するとの予測を示した。ただし、防疫措置の緩和による検査体制の変化などから無症状感染者数の把握が困難とし、従来方式での感染者数の発表を取りやめたことから、市中における実際の感染状況が掴みにくい状況となっている。

 特に今週に入って以降、記者の周囲でも感染したという話や人手不足による休業のお知らせを見聞きすることが多くなり、市街地の人出も明らかに少なくなるなど、感染拡大の状況がうかがえる。

 マカオ政府社会文化庁(衛星局を所管)の歐陽瑜長官は12月23日午後、囲み取材へ応じた際、直近の感染状況について、政府モデルによる試算で人口の6分の1程度が感染したとコメント。ウィズコロナ転換から約2週間で約11.3万人が感染したことを意味する。

 また、歐陽長官は医療従事者に限ると感染率はより高く、4分の1程度が感染したことも明らかにした。目下、新型コロナ患者向けに確保している病床の使用率は4割未満にとどまっており、警戒ラインは超えておらず、医療崩壊の状況にも至っていないとの見方を示し、今後の見通しについては、今後数日内に当初政府が予測したピークを迎えるだろうと述べた。

コタイ地区のマカオドームC館に増設された夜間発熱外来の待機スペース(資料)=2022年12月21日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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