マカオの失業率1.7%、16期連続=新カジノIR開幕効果、年内2万人新規雇用創出

マカオ政府統計調査局が5月27日に発表した最新の雇用統計によると、今年(2015年)2〜4月の総体失業率は1.7%、就業不足率は0.3%となり、いずれも前回調査(1月〜3月)と同様だった。マカオ経済の屋台骨ともいえるカジノ売上が昨年6月から今年4月まで11ヶ月連続前年割れとなる中、過去最良水準の失業率を16期連続で維持している。

第1四半期の労働人口は40.58万人、労働参加率は74.0%。このうち、就業人口は39.9万人で前回調査時から500人減少。業種別の就業者数では、ゲーミング(カジノ)業が1.0%減の8.38万人、建設業が3.1%増の5.94万人、小売業が0.8%減の3.42万人、ホテル業が2.9%増の2.69万人、飲食業が7.0%減の2.55万人。

失業人口は前回調査から100人の減少となる6700人。このうち、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は0.8ポイント下落の5.7%。

前年同時期との比較では、労働参加率が0.4%上昇、総体失業率は変動なし、就業不足率は0.1ポイント下落。

マカオでは、今月(5月)以降、コタイ地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)施設のオープンラッシュがスタートする。5月27日に開幕した大型カジノIR施設「ギャラクシーマカオ」第2期及び「ブロードウェイマカオ」を運営するギャラクシーエンターテイメントグループによると、直近のグループ全体の従業員数は2.4万人となり、このうち7000人が新施設の開幕による増員分という。また、施設内の飲食業、小売業者による雇用を加えると、およそ1万人の新規雇用を創出したとのこと。さらに、今年第3四半期に開業を予定している「スタジオ・シティ」を運営するメルコ・クラウン・エンターテインメントでは、開幕にあたり8000〜1万人の新規雇用を行う考えを示しており、新規カジノIRの開幕による年内の新規雇用創出効果は2万人規模となる見通し。

マカオ経済の屋台骨ともいえるカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年4月まで11ヶ月連続で前年割れとなる逆風下ではあるが、カジノIR運営各社とも既存人材の囲い込みと新規人材の採用の双方について積極的な姿勢を維持している。

安定した雇用状況が続くマカオの町並み。手前がマカオ半島南部、奥がタイパ島、コタイ地区(資料)=2015年4月(写真:GCS)

安定した雇用状況が続くマカオの町並み。手前がマカオ半島南部、奥がタイパ島、コタイ地区(資料)=2015年4月(写真:GCS)

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