マカオ、18年2月のホテル客室稼働率89.2%…対前年2.7ポイント上昇

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2017年)通期の訪マカオ外客数は前年から5.4%増の延べ(以下同)3261万0506人となり、3000万人の大台を4年連続突破するとともに、2014年以来となる最多記録を更新。今年(2018年)2月の訪マカオ旅客数は前年同月から23.1%増の307万0937人、宿泊を伴う旅客は13.3%増の139万6068人に上った。

かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、過半数を上回る月がほとんどとなっている。

マカオ政府統計調査局が3月29日に公表した最新統計によれば、今年2月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から2.7ポイント上昇の89.2%だった。

対前年の客室稼働率は大型台風により甚大な被害に見舞われた昨年8月に15ヶ月ぶりの下落となったが、9月は再び上昇に転じ、今年2月まで対前年プラスを維持した。

今年2月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から4.8ポイント上昇の92.8%、4つ星が1.5ポイント上昇の89.0%、3つ星が0.9ポイント下落の83.6%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が8.5%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが2.6%増だった点も考慮する必要がある。

今年2月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から7軒増の115軒、供給客室数は同6.4%増の3.87万室あり、このうち5つ星ホテルが34軒で、供給客室数は全体の61.2%を占める2.37万室。

今年2月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比6.4%増の103.4万人。主な内訳は中国本土旅客が15.0%増の73.2万人、香港旅客が13.6%減の10.9万人、韓国旅客が5.6%増の3.8万人、台湾旅客が18.3%減の3.6万人、日本旅客が29.1%減の1.1万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日延びて1.5日に。

今年1〜2月累計のホテル宿泊客数は前年の同じ時期から9.8%増の221.0万人、平均客室稼働率は5.9ポイント上昇の89.8%、ホテル宿泊客の平均滞在時間は0.1日延びて1.5日に。宿泊を伴う旅客全体に占めるホテル宿泊者の割合は0.6ポイント下落の72.4%。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により一昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、同年初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じていた。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

2018年2月に開業した1400室規模のホテルを併設する大型カジノIR(統合型リゾート)「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

2018年2月に開業した1400室規模のホテルを併設する大型カジノIR(統合型リゾート)「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

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