マカオ政府、2019年度の全市民への現金配布作業完了…1人あたり約13.3万円、12年連続実施=カジノ税収潤沢で富の還元

 カジノ税という潤沢な財源を抱えるマカオ政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。

 実施12年目となる今年度(2019年度)の支給対象は2018年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権保有者)及び非永久性居民(臨時居留権保有者)IDカードの保有者で、所得、年齢、居住地といった要件は設定していない。支給金額は前者が1万マカオパタカ(日本円換算:約13.3万円)、後者が6000マカオパタカ(約8.0万円)で、6年ぶりの増額。アップ幅はいずれも11.1%だった。

 マカオ政府財政局は9月22日、7月頭からスタートした今年度の現金配布作業について、9月13日をもって完了したことを明らかにした。銀行振込による支給対象者(公務員及び事前登録者)が37万7489人、小切手の郵送による支給対象者が33万8621人おり、支給総額は前年から12.8%増の69億7033万6000マカオパタカ(約927億円)だったとのこと。同日までの小切手の現金化率は70.8%という。

 現金配布の実施については、例年11月に行われる行政長官による翌年度の施政方針演説で明らかにされてきた。今年は行政長官が交代(12月20日就任)することから、施策継続の有無、金額の増減、受給要件変更の有無について、市民の間で例年以上に関心が高まっている。

 マカオ特別行政区では、現金配布のほかにも高齢者(満65歳以上)に対する養老金(年13回、年金に相当)と敬老金(年1回)の支給、医療クーポン券の配布、家庭用電気料金および上下水道料金の補助、所得税及び不動産税の減税、個人年金口座への資金注入など、幅広く市民が実感できるかたちでの成果の分配を実現する政策を継続実施している。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

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