マカオ政府、今年度2度目の財政準備切り崩し計画…コロナ禍インバウンド旅客減で歳入の大部分占めるカジノ税収低迷

 マカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官は10月1日、新型コロナウイルス感染症の流行による影響が持続し、マカオ経済の回復にも影響が及ぶ中、現行の予算では年度末(12月末)までの硬質コストを維持できないとし、財政準備から約200億マカオパタカ(日本円換算:約2641億円)を割り当てることを盛り込んだ今年度2回目となる修正予算案を立法議会に提出する計画を明らかにした。

 賀氏は1日午前に開催された国慶節祝賀レセプション後に囲み取材へ応じた際、2020年の財政圧力は比較的大きいもので、政府は今年4月に修正予算案を立法議会へ提出し、カジノ税収見込みを2600億マカオパタカ(約3兆4336億円)から1300億マカオパタカ(約1兆7168億円)に下方修正したが、その後も新型コロナの影響は続き、カジノ売上が依然として低迷しており、政府の歳入も低迷状態にあるが、公務員給与、社会福祉、教育、医療といった硬質コストは財政予算によるサポートが必要で、中でも新型コロナ対策によって医療関連の歳出は増加しているとコメント。

 また、今年度の歳入は基本的に回復が見込めず、歳入が低迷している状況を鑑み、政府は上半期に約400億マカオパタカ(約5282億円)を注入したが、それでも10月までのコストを維持できるのみと予想されることから、今年度2度目の修正予算案を立法議会に提出し、財政準備から200億マカオパタカを割り当てることで、年度末までのコストをサポートする考えを示した。

 賀氏によれば、政府は今年11月に2019年度予算執行状況議決案とともに、2020年度2度目の修正予算案及び2021年度予算案を立法議会へ提出する予定とのこと。

囲み取材に応じるマカオ特別行政区の賀一誠行政長官=2020年10月1日(写真:GCS)

 マカオ政府は今年度公共部門に10%のコストカットを要求している。政府が毎年恒例で実施している居民への現金配布は今年度も実施されたが、来年も継続実施するかどうかについては、目下検討中で、具体的なことは来年度の施政方針で明らかにするとした。

 通常、マカオの歳入のおよそ8割をカジノ税収が占める。コロナ禍でインバウンド旅客が激減する中、カジノ売上も1〜9月累計で前年同期比8割超の下落となっており、これを計算根拠とするカジノ税収も大きく低迷している。

 なお、マカオ特別行政区の財政準備資産は2019年度末時点で5794億マカオパタカ(約7兆6516億円)で、同年の歳出(予算)の実に約5.8年分に相当する。内訳は、基本準備が1489億マカオパタカ(約1兆9664億円)、超額準備が4305億マカオパタカ(約5兆6852億円)。今年度マカオ政府が切り崩しているのは、超額準備の部分。

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