マカオ政府、年度内三度目となる財政準備切り崩しへ…コロナ禍インバウンド旅客減でカジノ税収低迷

 新型コロナの世界的流行が長期化する中、インバウンド依存度の高いマカオ経済にも甚大なマイナス影響が及んでいる。

 インバウンド旅客数の激減に伴い、マカオ政府の歳入の大半を占めるカジノ税収が低迷する中、コロナ防疫及び経済支援にかかる費用は増大しており、直近2年の財政収支は厳しい状況が続く。ただし、マカオ政府はこれまでに積み上げてきた巨額の財政準備を抱えており、超額分の一部を切り崩すことで財政赤字を補填できている。

 11月19日、マカオ行政会が記者会見を開き、張永春報道官(行政法務庁長官)が今年度(2021年1〜12月期)の財政予算に財政準備から63.41億マカオパタカ(日本円換算:約894億円)を切り崩して注入すると同時に、一般総合支出から10.54億マカオパタカ(約149億円)、特定機構向け支出から16.14億マカオパタカ(約228億円)をそれぞれ削減することで財政収支の均衡を図る修正予算案を発表。

 張氏によれば、今年10月までの累計カジノ売上は約721億マカオパタカ(約1兆0166億円)で、年間1300億マカオパタカ(約1兆8330億円)とした予測値と開きがあるため、12月までの歳入を楽観視できない状況とのこと。また、政府としてすでに公共部門と公共機構に年度の残り期間における不要な支出を可能な限り削減するよう要請済みとしたが、それでも財政赤字が生じる見込みため、財政準備の切り崩す必要があるとした。修正予算案は立法会で緊急審議にかけられる見通し。

 財政準備の切り崩しによる予算調整は今年度三度目で、過去二度はいずれも経済支援対策実施を主としたもの。昨年度についても三度の調整が行われた。

 参考までに、昨年12月末時点(当該年度の切り崩し分反映済み)のマカオ特別行政区の財政準備資産は前年同時期から6.3%増の6161.2億マカオパタカ(約8兆6872億円)。内訳は、基本準備が1466.0億マカオパタカ(約2兆0670億円)、超額準備が4695.2億マカオパタカ(約6兆6201億円)。財政準備資産高はマカオ政府の歳出の約6年分に相当する。

マカオ特別行政区政府本部ビル(資料)—本紙撮影

マカオ特別行政区政府本部ビル(資料)—本紙撮影

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