マカオ、2021年通期の旅客総消費額が前年から倍増…インバウンド旅客回復と1人あたり平均消費増受け

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 しかしながら、2020年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環で入境制限を含む厳格な水際措置が講じられた影響を受け、インバウンド旅客数が激減。一方で、同年第3四半期以降にかけて両地の間の往来制限は段階的に緩和され、隔離検疫なしでの相互往来が再開したことから、中国本土からのインバウンド旅客は少しずつ戻りつつある状況。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から30.7%増の770万5943人だったが、新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年との比較では8割超のマイナス。全体に占める中国本土旅客の割合は91.4%。

 マカオ政府統計調査局は2月21日、昨年第4四半期(2021年10〜12月)の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)結果を公表。旅客総消費額は前年同期から7.4%増の63.1億パタカ(日本円換算:約901億円)だった。内訳は宿泊を伴う旅客が2.2%減の51.2億パタカ(約731億円)、日帰り旅客が86.8%増の11.9億パタカ(約170億円)。

 昨年第4四半期の旅客1人あたりの平均消費額は3.4%増の3235パタカ(約4万6200円)。内訳は宿泊を伴う旅客が26.0%増の6458パタカ(約9万2200円)、日帰り旅客が38.0%増の1027パタカ(約1万4700円)。また、中国本土旅客の限ると2.8%増の3346パタカ(約4万7800円)で、個人旅客についても9.2%増の7345パタカ(約10万4900円)に。

 旅客1人あたり平均のショッピング消費額は9.9%増の2207パタカ(約3万1500円)で、購入品目別ではハンドバッグ・靴類が18.0%増の374パタカ(約5300円)、食品系土産が26.8%増の268パタカ(約3800円)。渡航目的別ではバケーションを目的とした旅客の1人あたり平均消費額が最も高く、13.6%増の6793パタカ(約9万7000円)。なお、ショッピング目的は43.3%減の2181パタカ(約3万1100円)、親族訪問目的は33.4%減の1316パタカ(約1万8800円)。

 昨年通期の旅客総消費額はインバウンド旅客数の回復と1人あたり平均消費額の上昇を反映して、前年から1.0倍増となる244.5億パタカ(約3492億円)に。旅客1人あたりの平均消費額は56.7%増の3173パタカ(約4万5300円)で、内訳は宿泊を伴う旅客が66.3%増の5767パタカ(約8万2400円)、日帰り旅客が11.7%増の782パタカ(約1万1200円)、中国本土旅客の限ると44.7%増の3258パタカ(約4万6500円)。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun