マカオの新規住宅ローン承認額が2ヶ月連続上昇…2025年10月
- 2025/12/15 17:04
- 産業・経済
マカオ金融管理局が12月15日に公表した今年(2025年)10月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月連続上昇、商業不動産向けは2ヶ月ぶり上昇だったとのこと。
今年10月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から4.0%上昇の11.8億パタカ(日本円換算:約228億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが6.2%増の11.5億パタカ(約223億円)で、全体の97.4%を占めた。非居民向けについては41.7%下落の3100万パタカ(約6.0億円)。直近3ヶ月でみると、今年8〜10月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は10.4億パタカ(約201億円)で、今年7〜9月との比較で4.1%上昇。
新規商業物件向けローン貸付承認額は前月のベースが低かったことから310.1%上昇の8.5億パタカ(約165億円)。このうち、マカオ居民向けが305.1%増の8.4億パタカ(約163億円)で、全体の98.8%を占めた。前月ゼロだった非居民向けについては1000万パタカ(約1.9億円)に。直近3ヶ月でみると、今年8〜10月の月次平均値は7.3億パタカ(約141億円)で、今年7〜9月との比較で34.4%上昇。
今年10月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.3%減、前年同月から5.2%減となる2081.3億パタカ(約4兆0302億円)。マカオ居民が占める割合は96.7%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.2%下落、非居民向けについても0.5%下落。
商業物件向けローン融資残高は前月から0.5%下落、前年同月から7.3%減となる1410.1億パタカ(約2兆7305億円)。マカオ居民が占める割合は91.5%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.5%下落、非居民向けについても0.4%下落。
今年10月末の住宅ローン延滞率は3.8%で、前月から横ばい、前年同月から0.4ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は5.6%で、前月から横ばい、前年同月から0.5ポイント上昇。
マカオでは一昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されていたが、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在し、取引件数・平均平米単価とも振るわない状況が続いている。昨年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートし、同年4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃されるに至った。しかしながら、これまでのところ目立った改善はみられず、今年11月の2026年施政方針報告の中で印紙税やローンに関する緩和策が打ち出された。






















