マカオLRTタイパ線、2022年12月の1日平均乗客数は2050人…低迷続く

マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月にマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が開業した。

 開業当初こそ物珍しさや運賃無料キャンペーンの実施などもあり、多くの乗客で賑わったが、開業2ヶ月目以降はコロナ禍インバウンド旅客減などを受けて利用者数は低迷し、1日あたりの利用客数は事前見通しの2万人を大きく下回る1〜2千人程度という状況が続いていた。

 また、同線では開業以来、故障が相次いで発生していたが、これを抜本的に解決するため、一昨年(2021年)10月20日から昨年(2022年)4月2日まで、約5ヶ月半にわたって全線で運休し、全線で高圧電線の交換工事が実施され、4月3日に運行が再開された。

 このほど運営会社のマカオLRT社が昨年12月の乗客数データを公表。1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は約2050人で、前月から200人減に。

 上述の工事運休があったため、昨年の運行期間は実質4〜12の8ヶ月間だった。1日あたりの平均乗客数が最多だったのは10月の約2600人、最少は7月の1100人。7月は新型コロナ防疫措置に伴う準ロックダウンが実施された関係で、11日から23日まで運休となり、その前後にかけて市中の人流も少なかった。9月以降は2千人以上を維持し、10月は新型コロナの影響が生じて以来の最多に。

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部で、タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロメートル、11駅の区間で営業運転を行っている。沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

 このような主に玄関口と観光地を結ぶ路線のため、厳格な水際措置によるインバウンド旅客数の減が乗客数の低迷につながった。昨年12月に長く続いたゼロコロナからウィズコロナへの政策転換があり、水際措置の緩和が一気にするんだことから、2023年1月以降は盛り返す可能性も出てきた。

 目下、タイパ線のマカオ半島側への乗り入れ(タイパ線の海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る部分)に向けた準備が進むほか、タイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全長約9キロの新線計画(東線)が具体化し、全線地下を走る地下鉄に類する方式で建設されるとのこと。タイパ線の蓮花口岸駅と横琴新口岸前の新駅を結ぶ支線(2駅、約2.2キロ)と蓮花口岸駅付近から分岐する石排灣支線(2駅、約1.6キロ)についても着工済み。

マカオLRTタイパ線(資料)=2019年12月10日本紙撮影

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