マカオ、2023年4月の平均ホテル客室稼働率は79.8%…対前年50.0pt上昇

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年4月のインバウンド旅客数は前年同月比274.7%増となる227万4050人、今年1〜4月累計でも前年同期比190.8%増の722万9988人に上り、4月を終えた時点で早くも前年通期を上回った。

 マカオ政府統計調査局は5月29日、今年4月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は79.8%で、前年同月から50.0ポイント(pt)、前月から2.8ptのそれぞれ上昇。

 ホテル等級別では、5つ星が対前年同月から52.5pt上昇の78.2%、4つ星が43.2pt上昇の79.3%、3つ星が49.9pt上昇の86.1%、2つ星ホテルが48.0pt上昇の85.9%、エコノミー宿泊施設が38.8pt上昇の77.1%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が7.8%増、4つ星ホテルが18.7%増、3つ星ホテルが15.9%増、2つ星ホテルが増減なし、エコノミー宿泊施設が9.8%増だった点も考慮する必要がある。

 4月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から8軒増の129軒、供給客室数は10.6%増の4.29万室あり、このうち5つ星ホテルが2軒増の35軒で、供給客室数は全体の60.4%を占める2.59万室。

 4月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比199.0%増の110.1万人。このうち中国本土からの旅客が202.2%増の73.9万人、香港からの旅客が1171.4%増の25.4万人、台湾からの旅客が407.3%増の1.8万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は52.8%減の4.5万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日短い1.6日に。

 1〜4月累計の平均客室稼働率は前年同時期から38.2ポイント上昇の76.2%、ホテル宿泊客数は118.4%増の380.6万人、平均滞在時間は0.1日短い1.7日。

2023年4月にオープンした新ホテル「スタジオ・シティ/エピックタワー」の客室(資料)=コタイ地区スタジオ・シティにて本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府海事・水務局(DSAMA)は7月14日、同日午前9時半頃、マカオ半島北西の林茂塘にある…
  2.  マカオ観光のハイライトとしてすっかり定着した世界遺産めぐり。マカオ半島中央の旧市街地に点在する3…
  3.  マカオ半島新口岸地区にあるニューオリエントランドマークホテル(新東方置地酒店)のボールルームで7…
  4.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2025年)1〜6月累計の歳…
  5.  マカオ政府教育・青年発展局(DSEDJ)は7月12日、マカオ特別行政区政府と中国人民解放軍駐マカ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  5.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun