マカオLRTタイパ線、媽閣駅までの延伸部が年内開業へ…政府高官が自信示す

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月に新交通システムのマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が部分開業。現在、タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロメートル、11駅の区間で営業運転を行っている。

 同線の沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在するが、路線がタイパ島とコタイ地区内で完結しており、当初計画のマカオ半島乗り入れは実現に至っていない。未開業部は暫定的に”終点”となっているタイパ島北西部の海洋駅から西湾大橋を通ってマカオ半島南部の媽閣駅に至るまでの1駅分。

 マカオ政府運輸工務庁のライムンド・ロザリオ長官は6月5日のマカオ立法会でマカオLRTの経済効果に対する議員からの質問に答弁した際、タイパ線の延伸部について、すでに今年1月から試運転を開始しており、これまでのところ各種試験は順調とし、今年末までの開業に自信を持っていると述べた。

 また、タイパ線の支線にあたる石排湾線と横琴線の来年末までの開業、(全線地下方式で建設する新線の)東線についても2028年の完成に自信を示し、マカオの陸、海、空の玄関口を結ぶネットワークが完成することで、経済効果を発揮するとした。

 媽閣駅は著名な世界遺産「媽閣廟」のすぐ南側に位置し、LRT駅のほか、バスターミナル、タクシー乗り場、観光バス乗り場、公共駐車場などで構成される交通ハブとして計画されたもの。駅舎はすでに完成しており、バスターミナルや公共駐車場が先行オープンしている。ロザリオ長官によれば、タイパ線延伸部の開業に合わせてバス路線の再編を行う予定で、交通事務局が検討を行っているとのこと。

マカオLRT・媽閣駅のコンコース=2023年2月(写真:マカオ政府公共建設局)

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