マカオ税関が中国本土からの密航事案2日連続摘発…2件計8人逮捕

 澳門海關(マカオ税関)は12月17日、マカオ周辺海域のスマート監視システムやドローン等のIT技術を活用した海上及び沿岸の高リスク地点における監視体制を強化して臨む中、同月14日と15日にコロアン島で密航事案2件の摘発に成功し、これに絡む8人を逮捕したと発表。

 1件目は14日午後、海域スマート監視システムによって不審な船舶がコロアン島南東部に位置する「蝙蝠洞」前の海域を航行し、不法上陸を企図している様子を察知したため、すぐに高速パトロール艇とパトロールカー、ドローン部隊を出動させ、海、陸、空から追跡を開始。その後まもなく高速パトロール艇が船舶の発見に至り、臨検を実施。船内には男3人、女1人の計4人がおり、うち男女2人が密航者、男2人が操縦及び密航を手引き役のいわゆる蛇頭だったとのこと。密航者は税関の調べに対し、合法的にマカオへ入境できない立場にあることから密航でマカオの入りを選択したと説明し、蛇頭も密航目的の人物をマカオへ運んだ事実を認めたという。

1件目(12月14日)の密航事案摘発時の様子(写真:澳門海關)

 2件目の事案は15日午後、海域スマート監視システムがコロアン島南西部の海辺に位置する住宅地「竹灣豪園」前の海域を航行していた船舶が急に進路を沿岸寄りに変えたのを察知したことから、高速パトロール艇とパトロールカー、ドローン部隊を出動させ、海、陸、空から追跡を開始したところ、この船舶が接岸し、2人が上陸したのを確認。その後、高速パトロール艇が現場に到着し、当該船舶の中から操縦者の男1人を発見。同時に、陸上で税関職員が不法上陸した男女2人、さらに不法上陸者を出迎えに来たとみられるタクシーを発見し、運転手を逮捕したとのこと。不法上陸者の2人は税関の調べに対し、合法的にマカオへ入境できない立場にあるため密航を企図したと説明。蛇頭も密航に協力した事実を認めたという。

 上記2件で逮捕された男女8人の年齢は30〜48歳。蛇頭及び密航者、不法上陸者の7人は中国人(中国本土居民)、タクシー運転手はマカオ人。税関では、今後も海上及び沿岸における監視体制を強化して臨むことで、違法行為の撲滅を図るとした。

2件目(12月15日)の密航事案摘発時の様子(写真:澳門海關)

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