マカオLRTが農暦大晦日に終夜運転実施…開業以来初の試み

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として2019年12月に部分開業し、2023年12月に全通を果たしたマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が開業以来初めてとなる終夜運転を農暦大晦日(2月9日)に実施することがわかった。

 現在、マカオLRTタイパ線はタイパフェリーターミナル駅と媽閣駅の間の約12.5キロメートル、12駅の区間で営業運転を行っている(下の路線図参照)。沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、競馬場、高層マンションが建ち並ぶタイパ島の新興住宅街などがあり、また延伸開業したマカオ半島南部の媽閣駅は世界遺産・媽閣廟に近く、同駅に交通ハブ機能が設けられていることから、マカオ半島主要エリアへのアクセスも向上した。

マカオLRTタイパ線の海洋駅から延伸部の媽閣駅方向へ向かう試運転列車(資料)=2023年12月5日本紙撮影

 マカオLRT運営会社では、今回の終夜運転実施について、市民と旅客に便利な交通アクセスを提供することが目的としている。終夜運転のダイヤは、2月9日午前11時〜2月10日午前1時が7.5分間隔、2月10日午前1時〜午前3時が15分間隔、午前3時〜午前6時30分が30分間隔、午前6時30分以降が7.5〜10分間隔とした。

 また、農暦新年ホリデー期間中に花火大会など沿線各所で大型イベントの開催が予定されていることを受け、2月12日、16日、24日は23時59分まで繰り下げ運転を行うとのこと。

 このほか、同社はマカオLRT専用のICカード乗車券「LRT Card」について、100パタカ(日本円換算:約1840円)のチャージに対して30パタカ(約550円)分を追加するキャンペーンを2月7日から開始したことも発表。チャージ回数に制限はないが、LRT Cardの最大チャージ額は1000パタカ(約1万8370円)となっている。なお、キャンペーンの対象となるのは、各駅にある有人窓口(サービスセンター)でのチャージのみで、自動券売機及びチャージ機は対象外となり、キャンペーンに参加した場合はLRT Cardのリファウンドが不可になるという。現在、大人用のLRT Card(一般カード)は10パタカ(約180円)の手続き費用を支払うことでリファウンドが可能だが、今年(2024年)8月7日からすべてのLRT Cardのリファウンドできなくなるとのことで注意が必要だ。

マカオLRTタイパ線の路線図(図版:Macao Light Rapid Transit社公式HPより)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は9月9日、同局の本部について、同月から段階的にタイパ島北安地区の新本部ビルへ移…
  2.  マカオ招商投資促進局(IPIM)は9月8日、同局と国際熱帯木材機関(ITTO)の主催による「グロ…
  3.  マカオ司法警察局は9月7日、非マカオ籍の男性ギャンブラーへ賭博用途のカネを高利で貸し付けた上、返…
  4.  マカオでは、台風11号(国際名「ヤギ」)の接近による影響で、9月5日午後10時から6日午後2時ま…
  5.  マカオでは、9月5日から6日かけて超大型の台風11号(国際名「ヤギ」)が接近し、激しい風雨に見舞…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun