マカオ、カップルの記念撮影名所「恋愛巷」にある文化財建築物が落書き被害

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された30の建築物と広場のほか、高い文化・芸術的価値を有する文化財建築物も多数存在する。

マカオ政府文化局は2月15日、同局が管轄する映画をテーマにしたミュージアム「恋愛・電影館(シネマテーク・パッション)」の壁面にマジックのようなもので落書きされているのを発見し、警察に通報したと発表した。

マカオ司法警察局によれば、落書きが発見されたのは同月14日午後6時30分頃で、およそ30センチ四方に漢字とアルファベットが書かれており、被害額については文化局から修復費用の5000パタカ(日本円換算:約6万5800円)とする届出があったという。すでに司法警察局が捜査に着手し、犯人の行方を追っているとのこと。

恋愛・電影館は旧市街地の恋愛巷13番地にある南欧風建築をリノベーションし、2016年9月にオープン。主に人文・芸術分野の作品を上映するシアター、映画関連の雑誌や書籍等を集めた資料館で構成されている。恋愛巷は美しい南欧風建築に囲まれた路地で、その名称とフォトジェニックさからカップルの記念撮影の名所として知られる。

当該建築物は文化遺産保護法で建築芸術価値を有するものと評価されており、法律の規定により、落書き等の毀損行為については刑事責任が問われる。文化局では、違法な落書きのような悪質な行為に対して厳しく責任を追及すると同時に、できるだけ早く原状回復を行いたいとしている。

「恋愛・電影館(シネマテーク・パッション)」(資料)-マカオ半島・恋愛巷(写真:ICM)

「恋愛・電影館(シネマテーク・パッション)」(資料)-マカオ半島・恋愛巷(写真:ICM)

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