マカオの老舗ホテルで今世紀最大の違法売春事件=管理役6人逮捕、「回遊魚」96人拘束

マカオ司法警察局は1月11日午後8時に緊急記者会見を開き、マカオ中心部にある老舗ホテル、ホテルリスボアを舞台にした違法売春事件に絡み、管理役の男女6人を逮捕、送検したほか、フロアを巡回しながら客に声を掛ける営業スタイルから「回遊魚」と呼ばれる違法売春を行っていた疑いのある96人の女を拘束し、事情を聞いていることを明らかにした。

マカオの日刊紙「澳門日報」や香港の日刊紙「東方日報」が1月12日付紙面で報じた。マカオの違法売春事件としては、1999年のポルトガルから中国への返還後、最大規模となる。

逮捕された管理役の男女6人はマカオ、香港、中国本土出身で、このうち5人がホテル職員で、およそ100室のホテル客室を「営業場所」として管理するなどしていたという。残る1名は、インターネットを使った「回遊魚」の女の人材募集などを担当していた。

拘束された「回遊魚」96人の年齢は20-27歳、このうち95人が中国本土出身、1人がベトナム出身。30人が不法上陸、偽造旅券による入境だったことも判明したという。

このグループは2013年から営業をしていたものとみられる。インターネットで「回遊魚」の女を募集し、15万香港ドル(日本円換算:約230万円)の「入会金」、毎月1万香港ドル(約15万円)の「保護費」を女から徴収し、ホテル内での営業に便宜を図っていた。女らは男性客から1回あたり1500-5000香港ドル(約2万3000〜7万5000円)を受け取り、違法な性的サービスを提供していたという。司法警察局が関係先から押収したパソコンの中には2400人分の「回遊魚」リストがあることから、これまでに少なくとも4億香港ドル(約60億円)の売上を不法に得ていたものとみられる。

なお、逮捕された管理役の中にホテルリスボアのオーナー家族が1名含まれるとする報道もある。

マカオを代表する老舗ホテルとして知られるホテルリスボア(資料写真)—本紙撮影

マカオを代表する老舗ホテルとして知られるホテルリスボア(資料写真)—本紙撮影


マカオ返還後最大規模となる老舗ホテルを舞台にした違法売春事件で逮捕、送検された管理役の6人=2015年1月11日(写真:澳門司法警察局)

マカオ返還後最大規模となる老舗ホテルを舞台にした違法売春事件で逮捕、送検された管理役の6人=2015年1月11日(写真:澳門司法警察局)

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