コロナ禍でマカオの海外労働者需要が縮小…今年5月末時点で昨年末から7000人超の減少

 マカオでは、近年の経済発展を追い風に人材需要が高まり、人口の少ない地元マカオの人材供給が不足したことから、海外(中国本土、香港、台湾を含む)からの労働者を必要とする状況が続き、総人口に占める海外労働者の割合は約3割にも達した。

 しかし、今年(2020年)1月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって、状況は一変。マカオでは、防疫対策のため厳格な入境制限が講じられ、インバウンド旅客が激減。国際観光都市であるマカオ経済のインバウンド依存度は極めて高く、ダメージは甚大だ。

 このほどマカオ政府労工局が発出した資料によれば、今年5月末時点の海外労働者数は18万9274人で、昨年末から7264人減少(-3.7%)。長く続いた右肩上がりの上昇にストップがかかったかたちとなる。減少数が最も大きかった業種はホテル・飲食業の2667人で、以降は建設業の2432人、卸売・小売業の1128人の順。

 マカオの失業率は昨年末時点で過去最良水準だったが、コロナ禍において上昇傾向にあり、地元マカオ人の就労環境も厳しくなっているとされる。

 現時点でも厳格な入境制限は維持されており、インバウンド旅客の回復時期は見通せず、今後しばらくは海外労働者の減少トレンドが続くものとみられる。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年5月11日本紙撮影

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