マカオ、2021年6月のホテル客室稼働率は45.3%…4ヶ月ぶりマイナス=広東省での新型コロナ再流行による水際措置強化影響

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は一昨年(2019年)には延べ(以下同)3940万6181人に上ったが、昨年(2020年)は対前年85.0%減の589万6848人にとどまった。昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられていることが主要因。ただし、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年第4四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示などの条件付きで隔離検疫が免除となったことから、インバウンド旅客が回復傾向にある。5月下旬からマカオと隣接する広東省で再流行が出現したことを受け、両地の往来にかかる水際措置が強化されたため(一部「中リスク地域」滞在歴ある旅客に入境後14日間の隔離検疫を必須とするなど)、6月のインバウンド旅客数は前月比で大幅なマイナスとなった。

 今年6月のインバウンド旅客数は前年同月から22.4倍増、前月から39.0%減の52万8519人だった。対前月では4ヶ月ぶりにマイナス。なお、広東省における再流行は6月下旬までに終息しており、7月10日までに水際措置は元の水準に戻っている。

 マカオ政府統計調査局は7月29日、今年6月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用ホテルの客室分は含まず、以下同)は45.3%で、前年同月から33.5ポイント(pt)上昇、前月からは16.8pt下落。5月まで新型コロナの影響が生じて以降の最高を3ヶ月連続で更新してきたが、インバウンド旅客数と同様、4ヶ月ぶりのマイナスに。5割を下回るのは今年2月以来となる。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から38.3pt上昇の44.1%、4つ星が32.1pt上昇の52.0%、3つ星が25.5pt上昇の46.6%、2つ星ホテルが6.9pt上昇の35.6%、ペンサオン(ゲストハウス)が2.1pt下落の31.6%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が2.3%減、4つ星ホテルが4.5%増、3つ星ホテルが9.3%増、2つ星ホテルが23.4%増、ペンサオンが15.9%増だった点も考慮する必要がある。

 今年6月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から7軒増の116軒、供給客室数は1.7%増の3.52万室あり、このうち5つ星ホテルが2軒減の32軒で、供給客室数は全体の60.5%を占める2.13万室。

 今年6月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から2.5倍増の46.9万人。中国本土旅客は4.2倍増となる35.7万人だった。地元のマカオ客も56.8%増の8.3万人で、ステイケーション需要とみられる。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.7日。

 今年1〜6月累計の平均ホテル客室稼働率は前年同時期から23.2pt上昇の50.4%、ホテル宿泊者数は84.5%増の337.8万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は0.1日延びて1.8日に。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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