マカオのカジノディーラー6年ぶり減少=市場低迷長期化で人材需要後退

マカオ政府統計調査局は8月19日、マカオ経済の屋台骨ともいえるゲーミング(カジノ)産業に関する今年(2015年)第2四半期の人材需要及び給与統計を公表した。業界の従事者数(カジノ仲介及び仲介パートナー、いわゆる「ジャンケット」除く)は前年同期比1.3%増の5万7422人だったが、このうちカジノディーラー職は2.5%減の2万5072人となり、2009年第2四半期以来、6年ぶりにマイナスを記録した。

今年6月のゲーミング業従事者の平均月額給与(ボーナス等除く)は6.5%増の2万1480パタカ(日本円換算:約33.3万円)、ディーラー職は6.0%増の1万8580パタカ(約28.8万円)で、いずれもこれまでの右肩上がりの上昇を維持した。

今年第2四半期のゲーミング業界における求人数は前年同期と比較して1022の減少となる507。カジノディーラー職は396減少の107。また、新規雇用数については3124人減の1972人で、従業員採用率は2.0ポイント下落の3.5%となった。このほか、従業員離職率が2.6ポイント下落の1.5%、求人率が1.7ポイント下落の0.9%となるなど、ゲーミング業界における人材需要が後退していることが伺える。

マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年7月まで14ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜7月の累計カジノ売上は36.7%減の1402.59億パタカ(約2兆1772億円)。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

マカオのゲーミング(カジノ)産業における人材需要に変化の兆し(写真はマカオのカジノのイメージ)—本紙撮影

マカオのゲーミング(カジノ)産業における人材需要に変化の兆し(写真はマカオのカジノのイメージ)—本紙撮影

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