マカオ、7月のインバウンド旅客数が対前年97.9%減の約7.4万人…入境制限一部緩和で対前月では2.3倍増

 マカオ政府統計調査局は8月20日、今年(2020年)7月及び1〜7月累計の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 マカオでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として1月下旬から入境制限が講じられており、流行が世界へ拡大したことに伴い3月下旬から水際対策が一層強化された。国際観光都市マカオはかつてない逆風に晒されているが、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことから、ようやく近日になって両地の往来における水際措置の緩和が段階的に進んでいる。

 7月のインバウンド旅客数は前年同月から97.9%減の7万4006人(延べ、以下同)だった。ただし、入境制限の一部緩和により前月(6月)との比較では2.3倍増で、3ヶ月連続でプラスとなった。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の89.8%を占める6万6489人。前年同月比では97.4%減。香港と台湾からの旅客がそれぞれ6240人、1271人だった。入境ルート別では、陸路が7万3604人、空路が402人。

 目下、外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)の入境は原則禁止となっているが、中国本土、香港、台湾居民については、直近14日以内の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応となっている。また、中国本土からマカオへ渡航するための個人・団体ビザの発給は8月12日から9月23日にかけて三段階で再開されるスケジュールが発表済み。

 今年1〜7月のインバウンド旅客数は前年同時期から86.0%減の334万2906人。このうち中国本土旅客が全体の72.0%を占める240万6078人、次いで香港旅客の65万8762人、台湾旅客の8万2899人の順で、いずれも8割超の減少。

 参考までに、昨年通期のインバウンド旅客数は前年から10.1%増の3940万6181人に上り、3年連続で過去最多を更新。中国本土旅客が占める割合は約7割だった。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年7月5日本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  英「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」は当地時間の4月30日、THEアジア大学ラン…
  3.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  4.  マカオ司法警察局は4月30日、中国本土の警察当局と連携し、「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニン…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun