マカオで7歳男児が”人食いバクテリア”ビブリオ・バルニフィカス菌感染…ビーチ遊び中に魚のヒレで刺傷

 マカオ政府衛生局は10月15日夜、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィカス菌の新規感染確認例が1件報告されたと発表。

 患者はマカオ人の男児(7)。10月13日昼頃、コロアン島の黒沙海灘(ハクサビーチ)で遊んでいた際、誤って魚のヒレと接触し、右脚のつま先に刺傷を負ったという。その後、同日午後10時頃に発熱及び右脚に腫れと痛みが出現したことから、14日朝に公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診。同院での検査で右脚の壊死性筋膜炎と診断され、感染・壊死組織の除去と創の清浄化及び治療のため入院することとなり、15日に創傷分泌物の検査結果が判明し、ビブリオ・バルニフィカス菌感染が確認されたとのこと。

 目下、患者は入院治療を継続しているが、容体は安定しているという。

 衛生局では、ビブリオ・バルニフィカス菌は温暖地域の海水中に自然に存在する細菌で、傷口が菌を含む海水に触れたり、汚染された魚介類の摂取により感染を引き起こす可能性があるとし、皮膚に傷がある場合は海水との接触を避ける、傷口を清潔に保ち適切に保護する、魚介類を口にする際及び調理において取り扱いに注意するなどの対策のほか、生命に関わるため、摂取や接触後に下痢、嘔吐、腹痛、皮膚の腫れ、痛み、化膿といった感染が疑われる症状が出現した際には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけた。

 マカオにおけるビブリオ・バルニフィカス菌の感染確認例は今年に入って以降で5例目。このうち今年第1例目(4月中旬)となる患者は死亡に至っており、自宅で魚介類を処理して食べていたことがわかっている。

 昨年も感染例が相次ぎ出現し、コロアン島のビーチで遊泳中と散歩中に手や足の指が魚のヒレと接触して負傷したことによるケースが2件、コロアン島・コロアンヴィレッジ付近の堤防で魚釣りをしている男性が釣れた魚を掴む際に手の一部が魚のヒレと接触して刺傷を負ったことによるケースが1件、公設市場の鮮魚売場で誤って魚のヒレで指に刺傷を追ったことによるケースが1件の計4件確認されたが、死亡例はなかった。

マカオ・コロアン島にある「黒沙海灘(ハクサビーチ)」(資料)=本紙撮影

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