円安傾向で日本への旅行に関心高まる

日本円の対米ドル円安傾向が8週連続となる中、マカオ市民の日本への旅行需要が高まっているという。現地旅行社によると、来月の春節休暇を利用した日本向けツアーに対する問い合わせが急増している。

7日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。日本円の対米ドル相場は円安傾向が続いており、先週1ドル=88.41円を記録し、2010年7月15日以来の88円台となった。マカオの通貨マカオパタカは米ドルと連動していることから、円安のニュースが市民の日本訪問意欲に影響を与えているもの。

日本向けツアーに強みを持つ地元旅行社によると、一般的にパックツアーは数か月前に交通機関やホテルの準備を済ませているため、今回の円安による春節時期のツアー価格の引き下げはないとしているが、春以降は為替状況により変動もあるとしている。同社によると、クリスマス休暇期と比較して、明らかに日本訪問旅行への問い合わせ数が増加しているとのこと。マカオ市民が日本を訪問する主目的として「ショッピング」が挙げられることから、円安は心理的に好印象となる。

市内の日本料理店によると、日本からの輸入食材の多くは数か月単位で契約しているため、すぐに価格が下がるわけではないとしながらも、一部商品で価格が下がりつつある状況はあるとした。しかし、マカオへ輸入される日本産生鮮食品は香港経由のものも多く、香港の仲介業者が円安を理由とした価格変更に応じるかどうかは未知数という。さらに、飲食業界では家賃や人件費の高騰にも見舞われており、今回の円安が直接利益面に好影響を与えるかどうかは未知数という。

昨年夏以降日中関係がぎくしゃくし、日本からマカオへの渡航者数もここ数か月減少する中、今回の円安傾向がマカオ市民に対して好意的に受け止められているということは、日本側にとっても明るいニュースになるだろう。

円安傾向でマカオから日本への旅行人気高まる―本紙撮影

円安傾向でマカオから日本への旅行人気高まる―本紙撮影

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