小売企業、出店拡大志向強い

経済状況の好転と家賃相場が急騰したとしながらも、現時点で天井に達したとの見方を受け、大手土産店チェーンによる数億パタカを投じた店舗拡張の再開やコタイ地区リゾート内への出店の動きが見られるなど、小売企業の拡大志向が加速している。

7日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。不動産業者によると、マカオでは近年店舗家賃が急騰し、すでに約2倍の水準に達しているが、今後2年間は平穏な状態が続くのではないかとみている。

観光名所の店舗大型化やリゾート内への新規出店を加速する背景には、多くの観光客が集まる場所への出店によって店舗そのものが宣伝媒体となり、将来的なブランド価値の向上につなげるなどの思惑があるという。

セナド広場周辺など、マカオ半島中心部の観光名所の店舗家賃相場は月額100万パタカ(約1,000万円)以上で、中には300万パタカの物件もあるという。一方で、家賃の安いエリアへ移動する動きも見られることから、商業エリアが拡大している。

店舗拡大の意向が強いのはジュエリー、時計、ブランド店といった高級品を扱う商店だけではなく、ローカルレストラン、土産店、ドラッグストアまで幅広い。逆に、アパレル関連商店の中には家賃の高騰により移転を余儀なくされるところもあるという。

マカオ随一の観光名所「聖ポール天主堂跡」(資料)―本紙撮影

マカオ随一の観光名所「聖ポール天主堂跡」(資料)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun