マカオに期間限定アウトレット=日米で人気の業態、試験導入で爆買い期待

マカオといえば、カジノや世界遺産のイメージが強いが、フリーポートで消費税もないことから、特に中国本土旅客の間でショッピング天国として知られる存在だ。コタイ地区を中心に、IR(統合型リゾート)併設の大型ショッピングモールが建ち並ぶ。

しかし、マカオのリテール業界は、昨今の中国経済のスローダウン、反汚職キャンペーン、人民元の切り下げ(マカオの通貨、パタカの為替はいずれも米ドルと連動)などの逆風に晒されている。また、円安が進んだことで、ショッピング目的の中国本土旅客が日本を目指す動きも目立っているという。

為替の恩恵を受け、中国本土旅客の「爆買い」に沸く日本だが、特にアウトレットモールの人気が高いという。アウトレットはもともと米国から日本に上陸した業態だが、実は中国ではほとんど普及していない。マカオにはアジア最大規模を誇るショップス・アット・ヴェネチアンなどワールドクラスの大型ショッピングモールが複数存在するものの、実はアウトレットモールはひとつもない。

マカオでは毎年12月に官民合同のショッピングフェア「マカオ・ショッピング・フェスティバル」が開催されている。イベント主催機構は10月15日、今年(2015年)で5年目を迎えるイベントの概要説明会を行い、日本や米国を参考にしたアウトレットモール要素を取り込むと発表。マカオ・フィッシャーマンズ・ワーフ内に期間限定の会場を設け、有名ブランドを多数誘致し、特価商品を揃えて臨むとした。マカオのリテールマーケットが逆風下にある中、これまでマカオになかった新要素で巻き返しを図りたい考えだ。今年のマカオ・ショッピング・フェスティバルの開催期間は12月5日から31日まで。

なお、マカオでは今年夏前から各ホテルが値下げプロモーションを相次ぎ実施したことで、旅客の滞在時間が延び、ホテル客室稼働率が上昇するなどの効果があった。

マカオと比較されることが多い米国ラスベガスには大型アウトレットモールが複数ある。マカオの隣に位置する香港にもアウトレットモールがあるが、日本のメジャーな施設と比較して規模が小さい。

2015年12月に開催されるマカオ・ショッピング・フェスティバル期間中にアウトレット会場が設けられる予定のマカオ・フィッシャーマンズ・ワーフ(資料)—本紙撮影

2015年12月に開催されるマカオ・ショッピング・フェスティバル期間中にアウトレット会場が設けられる予定のマカオ・フィッシャーマンズ・ワーフ(資料)—本紙撮影

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