マカオLRTタイパ線が営業運転開始…日本の全自動無人運転車両システム採用=陸海空の玄関口とカジノIR集積エリア結ぶ

マカオで初めてとなる本格的な軌道系大量輸送機関(鉄道)となるマカオLRT(Light Rapid Transit)が12月10日に開業。同日午前にコタイ地区にある車両基地で開業式典が開催され、午後3時33分に一番列車がタイパフェリーターミナル駅を出発し、営業運転がスタートした。

タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部。今回開業したのはタイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロ、11駅。2012年末の本格着工から丸7年で開業にこぎつけた。建設にかかった費用は約110億マカオパタカ(日本円換算:約1482億円)。

沿線には香港や広東省主要都市との間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、年間旅客数約950万人のマカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在。通勤、通学、観光の足として、定時到達性の高い鉄道の開通による利便性向上に大きな期待が寄せられている。

運賃については、年内(2019年12月31日まで)は無料となっている。2020年1月1日以降は3駅までが6マカオパタカ(約81円)、6駅までが8マカオパタカ(約109円)、10駅までが10マカオパタカ(約135円)で、マカオLRT専用のプリペイド型ICカードを使用した場合や高齢者、子供は割引料金が適用される。なお、しばらくの間はマカオで広く普及する交通系ICカード「マカオパス」を利用することができないため注意が必要だ。

運転時間は月〜木曜日が午前6時30分から午後11時15分まで、金〜日曜日及びパブリックホリデーが午前6時30分から午後11時59分までで、運転間隔は5〜10分に1本とのこと。列車は2両編成または4両編成のいずれかで、1両あたりの定員は約100人という。

マカオLRTタイパ線の起点となるタイパフェリーターミナル駅に停車中の列車=2019年12月10日本紙撮影

日本との関わりについても触れておきたい。マカオLRTは三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング社の全自動無人運転車両システム(Automated Guideway Transit=AGT)を採用。同社がAGTシステムとして、東京の「ゆりかもめ」と同タイプのクリスタルムーバー型AGT車両(110両)、信号・列車制御設備、供電設備、通信システム、軌道、メンテナンス設備、ホームドア、料金機械を手掛けた。また、開業後5年間にわたる車両のオーバーホールメンテナンスも担当し、マカオLRTの安定運行をサポートする。AGTシステムは、電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ゴムタイヤ方式を採用しているため走行が滑らかかつ低騒音であるのが特徴。

記者が実際に乗車した感想としては、予想以上にスピード感があった。自動運転のため運転室がなく、前方の大きな窓からのビューも楽しむことができた。コタイ地区に林立する個性豊かなカジノIR建築群のすぐ横を駆け抜けるため、車窓を眺めるのも楽しい。ちなみに、駅構内や車内の表記は繁体字中国語、ポルトガル語、英語の3言語、車内アナウンスは広東語、ポルトガル語、北京語、英語の順に4言語対応で、東西文化が融合した国際観光都市ならでは。今後、タイパ線のマカオ半島への乗り入れ、そしてマカオ半島線の早期実現に期待したい。

マカオLRTタイパ線に導入された日本製車両の車内の様子=2019年12月10日本紙撮影

【写真特集】マカオLRTタイパ線の車両、駅施設、路線図など

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