マカオの大坑遺跡保護展示区が一時クローズ…埋め戻し伴う工事実施

 マカオ政府文化局(ICM)は3月7日、マカオ半島の高園街にある大坑遺跡保護展示区について、より一層の保護と活用を図るため、また中国社会科学院考古研究所の専門家による保全についての提言を考慮し、同局で評価・分析を行った結果、埋め戻し措置を伴う保護策を採ることになったと発表。

 同局によれば、埋め戻し工事は同月10日からスタートし、工事における必要性及び公衆の安全確保の観点から、同日より展示エリア及び「海のシルクロードとマカオ」常設展コーナーの一般公開を一時中止するとのこと。工事終了は5月上旬を予定しており、一般公開再開時期は追って告知するとした。

高園街大坑遺跡保護展示区のイメージ=2021年9月(写真:ICM)

 大坑遺跡保護展示区は著名な世界遺産・聖ポール天主堂跡の後方に位置し、かつてカトリック・イエズス会による聖ポール大学(聖保禄学院)があったとされる場所。2010年から2012年にかけて同局と中国社会科学院考古研究所が合同発掘調査を行った際、深さ9.8メートル、直径約5.8メートルの岩盤を掘って人工的に造られた大穴が見つかり、明朝末期から清朝初期(16世紀後半から17世紀中頃)に海外へ輸出された磁器の断片や建築部材などが出土。マカオが海のシルクロードの重要な中継港、貿易拠点としての役割を果たしていたことを考古学的に証明する重要な遺跡として評価され、2021年9月から一般公開されるに至った。

高園街大坑遺跡保護展示区のイメージ=2021年9月(写真:ICM)

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