中国、新型コロナ新規市中感染確認が2日ぶり出現…黒竜江省と新疆ウイグル自治区で各1人=10/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、21日には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会が10月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、5日の中国本土における新規市中感染確認は2人だったとのこと。内訳は、黒竜江省ハルビン市が1人、新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州で1人。中国本土で市中感染確認例が出現するのは2日ぶり(4日は25日ぶりにゼロを記録していた)。市中の無症状感染例についても2日ぶりに出現し、新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州で1人みつかったという。

 直近の再流行に関して、黒竜江省のケースは、発生から約2週間で累計約90人の感染確認があったが、ハルビン市および隣接市にとどまり、省外への拡散は確認されていない。福建省のケースでは、約3週間の累計感染確認が約470人に上り、こちらも福建省の一部にとどまり、省外への拡散はなかった。いずれのケースも近日は新規感染確認例も減少傾向が続いており、福建省では9月29日以降、10月2日(アモイ市で1人)を除いてゼロが続いている。

 10月5日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は838人(うち輸入性が527人)で、2人(輸入性1人)が重症。無症状の患者352人(輸入性338人)が医学観察下にあるという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し、10を超える省市とマカオへ波及した再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。

 このほか、マカオ特別行政区では、9月下旬と10月初旬にかけて隔離検疫ホテル警備員グループ6人、内装工グループ4人のクラスターが発生。10月5日、マカオ衛生当局は、感染源を同じとするデルタ株感染であることが特定されたとし、両グループの各1人の患者が9月24日に同じバスに乗り合わせ、車内カメラの映像から位置が近く、同じ手すりを掴んでいたことが判明したと発表。目下、マカオでは全市民を対象としたPCR検査(三度目)が展開されており、6日午前9時までに約50万人のサンプル採取を終え、結果が判明した約40万人分はすべて陰性だったとのこと。市中における伝播リスクが存在するとして、政府が市民に対してステイホーム及び早めの全市民PCR検査受検への協力を呼びかけている。

マカオで展開中の第三次全市民対象PCR検査会場の様子=2021年10月4日夜(写真:GCS)

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