新交通システム「マカオLRT」に2つの新路線計画案…環状線化実現へ

 4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ、多くの議員が新交通システム「マカオLRT」の今後の発展について関心を示した。

 列席した譚偉文マカオ政府運輸工務長官は、目下、今後のマカオLRTの路線ネットワークについて、具体的に2路線の検討を進めていることを明らかにした。

 最初に挙げたのが、マカオ半島西部を南北に結ぶ「西線」。現在建設工事が進む東線の青茂駅から南へ延伸し、筷子基や内港エリアを経て、マカオ半島南東に位置する既存のタイパ線の媽閣駅へ至るルート。(東線はタイパ線のタイパフェリーターミナル駅を起点とすることから)西線の整備ににより、環状交通ネットワークが実現するとした。

 また、香港及び広東省珠海市との主要な陸路の玄関口にあたる港珠澳大橋マカオ側イミグレーションからマカオ半島北東沖の新興埋立地”東区”を経由して外港フェリーターミナル、南灣・西灣エリアを経てタイパ線の媽閣駅へ至る路線についても言及があった。このルートでは、途中で東線と交差することになる。

マカオLRTのイメージ(資料)=2024年10月、コタイ東駅にて本紙撮影

 譚氏は、先進的な都市にとって鉄道は不可欠な存在であり、路線ネットワークの拡大により乗客数増の乗数効果も見込めるとし、将来のマカオにおいてLRTが交通の主軸を担うことを期待すると述べた。

 現在、マカオLRTはタイパ線、石排灣線、横琴線の3路線体制となっている。タイパ線(13駅、約12.5キロ)はタイパフェリーターミナル駅と媽閣駅の間を結び、沿線には海と空の玄関口(タイパフェリーターミナルとマカオ国際空港)のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在。石排灣線(2駅、約1.6キロ)はタイパ線の協和醫院駅と近年開発が進んだ人口密集地のひとつ、コロアン島北部の石排灣駅を結ぶ。横琴線(2駅、約2.2キロ)はタイパ線の蓮花駅と「横琴広東マカオ深化協力区」との陸路の玄関口となる横琴口岸(イミグレーション)の直下に位置する横琴駅を結ぶ。

立法会で発言する譚偉文マカオ政府運輸工務長官(上列右3)=2025年4月30日(写真:GCS)

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