マカオ税関が運び屋向け密輸品供給拠点2ヶ所摘発…大量の冷凍豚もつ肉発見

 澳門海關(マカオ税関)は5月24日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の趨勢に関する情報収集・分析を進めるとともに、運び屋に商品を供給する拠点となる場所に対する取り締まり強化して臨む中、同日午後、マカオ半島北部に所在するビル内に開設された運び屋向け商品供給拠点2ヶ所を相次いで摘発したと発表。

 マカオ半島北部については、中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近いことから、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている。

 税関によれば、摘発対象となったテナントには現場責任者が各1人がおり、それぞれ中から輸入に必要な書類のない冷凍豚もつ肉約1270キログラムと約100キログラム、合わせて市価およそ5.5万パタカ(日本円換算:約97万円)相当を発見・押収したとのこと。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年5月24日(写真:澳門海關)

 現場責任者は女(28)と男(31)で、いずれもマカオ人。税関ではこの男女が運び屋を組織して中国本土へ密輸出させることにより正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、対外貿易法の関連規定に基づく行政違反手続きを開始するとともに、食材については廃棄処分にしたという。また、食材が室温下で放置され、保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署へ通報。さらに、営業許可証なしで運営がなされていたとして、財政局がフォローアップを進めるとした。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した一昨年(2023年)の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、冷凍肉類や活ロブスターといった食材と中古スマホやパソコン用のCPUといった電子製品が目立っている。冷凍豚もつ肉に関する摘発事案は約1週間ぶり。

 税関では、市民に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう再三の呼びかけを行っており、今後も取り締まり戦略を随時調整しながら全力を挙げて運び屋行為の撲滅に努める考えを示した。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年5月24日(写真:澳門海關)

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