広くマカオの自家用車が広東省へ乗り入れ可能に

 マカオの中国返還23周年を迎えた12月20日午前、広くマカオの自家用車が中国広東省へ乗り入れ可能となる「澳車北上」政策が来年(2023年)1月1日からスタートすることが正式発表された。12月20日午後2時から申請受付が開始となる。

 マカオ登録の自動車はマカオ独自のナンバープレートが付き、通常はマカオ特別行政区の域内のみ通行可能となっている。従来、中国本土へ乗り入れるには「両地牌」と呼ばれる広東省とマカオのWナンバープレートの取得が必要で、取得にあたって中国本土での事業や不動産投資といった要件が付くなど敷居が高く、ステイタスシンボルのひとつともいえる存在だった。

 今回導入されることになった「澳車北上」政策では、18歳以上のマカオ居民で港澳居民来往内地通行証(いわゆる回郷証)を保有するマカオ登録自家用車のオーナーが申請対象とされ、投資やポジションなどの制限のみならず、上限台数設定もないことから、大幅に開放が進んだことになる。マカオの人口は約68万人だが、マカオ交通当局では約8万台が申請条件に合うとしており、1台あたり2人の運転者を登録できることから、約16万人が恩恵を受ける模様。

 「澳車北上」政策で中国本土へ乗り入れるにあたっては、出入りは複数あるマカオと広東省の陸路のイミグレーションのうち港珠澳大橋のみ(1日1回)、通行範囲は広東省内に限定されるほか、広東省滞在上限期間は1回あたり30日以内かつ年間180日以内となる。

 マカオの返還記念日には中国中央から「プレゼント」と形容されるマカオへの優遇策などが打ち出されるのが恒例となっている。

 なお、広東省当局によれば、香港の自家用車についても同様の「港車北上」政策を計画しており、来年中にも実施予定とのこと。

「澳車北上」政策の告知フライヤー(図版:マカオ政府交通事務局)

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