マカオ、カジノVIPルームの閉鎖相次ぐ=中国本土の引き締め強化で運転資金確保できず

中国本土における反汚職キャンペーンの影響などを受け、マカオのカジノ市場におけるVIPルームビジネスが大打撃を受けているという。マカオのカジノ従業員互助組織FMG(澳門博彩最前線」は8月1日、公式フェイスブックページ上に近日発表されたVIPルーム事業者2社による3つのVIPルームの閉鎖通告書を掲載した。

このうち、亜遊会が9月1日付でウィンマカオ内、泓利會が8月1日付でアルティラ及びスターワールド内にそれぞれ展開するVIPルームを閉鎖するという。

香港の日刊紙「アップルデイリー」が8月2日付紙面でこの件について報じた。同紙がマカオカジノ関係者から得たコメントによると、マカオのVIPルームは顧客の約8割を中国本土のギャンブラーに依存していることから、昨今の中国本土の資金引き締めにより売上が激減し、運転資金が確保できずに閉鎖を余儀なくされる事業者が相次いでいるという。また、1つのVIPルームを運営するのに必要とされるコストは毎月150〜160万香港ドル(日本円換算:約2400〜2550万円)程度とのこと。昨年(2014年)から現在まで、市場の約3割を占める50超のVIPルームが閉鎖となり、影響を受けた従業員の数は推計で2000人を超えるという。

マカオのカジノ売上は昨年6月から今年6月まで13ヶ月連続で前年割れとなっている。マカオのカジノ監理当局DICJの統計資料によると、今年上半期(1〜6月)の累計カジノ売上は前年同期比37%減の1216.45億パタカ(約1兆8880億円)で、このうちVIPルームが42%減の692.39億パタカ(約1兆740億円)だった。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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