マカオ、316日連続市中での新型コロナ感染確認なし…累計48人、死亡例ゼロ=いよいよワクチン接種スタート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは2月8日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。同日までマカオの市中における感染伝播事案は出現しておらず、輸入性または輸入関連性事案のみで、市中における感染確認は無症状感染者を含めて316日連続ゼロだった。輸入性事案に関しては2日連続ゼロ。

 これまでの累計感染者数は48人で、46人が域外からの輸入性、2人が輸入関連性事案。院内感染、死亡例ともゼロを達成している。

 目下、指定医療機関の隔離病室収容者が3人(無症状感染者2人、血液抗体検査で陽性反応確認された1人)おり、いずれも1月21日に海外の滞在地から東京(成田)を経由してマカオに到着した在外マカオ居民。1月21日には100人超の在外マカオ居民が同じ東京経由ルートで到着しており、うち9人が密接接触者として医療機関内で隔離検疫、その他及び航空機の運航スタッフはホテルで21日間の隔離検疫を受けている。

 マカオでは、2月6日に新型コロナワクチンの”初荷”として、中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチン(生産地:中国・北京)の第1便(10万本)が到着。マカオ政府は同社製に加え、中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテックのmRNAワクチン(生産地:ドイツ、フランス、ベルギーのいずれか)、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)計140万本を確保済みで、順次到着予定としている。

 マカオ政府は2月8日付の政府公報で新型コロナワクチン接種計画の内容を発表。無償接種の対象をマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)、マカオの学校に通う非居民の学生、囚人とした。また、合法的にマカオに滞在する上記以外の人については有償とし、費用は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)に設定。接種を受けることができる条件として、18歳以上かつ60歳未満、健康状態良好でリスク度合いの比較的高い60歳以上を挙げた。ワクチン接種はあくまで希望制であり、在庫がある場合は複数のワクチンの中から自由に選択できるとしている。

 この日の会見では、ワクチン接種の優先順位について詳細が明らかにされた。接種開始は2月9日からで、まず高リスク群を優先。具体的には第1類:防疫の最前線(医療関係者、イミグレーション職員、警察・消防・税関職員など)、第2類:高リスク職(コールドチェーン食品関係者、社会福祉機関・施設職員、学校教職員、交通・運輸従事者、ツーリズム・カジノ業従事者、政府保安部隊員、第3類:緊急を要する事由により流行国・地域へ渡航する必要がある人を挙げた。第2段階が一般のマカオ居民となり、9日正午から予約を受け付け、接種開始は2月22日以降に。第3段階はマカオで就労する海外就労者と合法的に滞在する非マカオ居民も対象とするが、第1、2段階の進捗度を踏まえて時期を検討するとのこと。また、すでに保険会社と不良副反応・副作用に関する保険契約を締結したことも合わせて発表された。引受保険会社はポルトガル系のフィデリダーデ・マカオ社、保障期間は接種後90日間、補償額は1人あたり最大100万マカオパタカ(約1330万円)とのこと。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2021年2月8日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 マカオでは、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び中国本土における状況が落ち着いてきたことを受け、7月中旬から両地間の往来制限に関して緩和が進んでいる。すでに、中国本土の一部の中リスク地域(状況に応じて随時アップデートされる、詳細後述)滞在歴がある場合を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明の取得などの条件を満たせば隔離検疫なしで往来が可能となっている。

 一方、英国で感染力の高い変異種が出現したこと、世界各地で14日間の隔離検疫後に感染が確認される例が相次いでいることなどを受け、昨年12月下旬以降、相次いで水際措置が強化されている。

 具合的には、12月21日午後10時から中国本土及び台湾以外からの入境者に対する隔離検疫措置について、従来の14日間から21日間に延長。また、12月23日午前0時以降、マカオ入境前21日以内に外国に滞在歴のあるすべての中国本土、香港、台湾居民のマカオ入境が禁止に。1月21日からは、マカオ入境時の隔離検疫対象者について、隔離検疫期間満了後も自己健康追跡期間が設定された。隔離検疫期間はマカオ入境前の滞在地によって、14日間または21日間となっているが、隔離検疫期間満了後のそれぞれ少なくとも14日間、7日間が自己健康管理期間となる。自己健康管理期間満了予定日の1日前に新型コロナウイルス核酸検査を受け、その結果が陰性であれば自己健康管理措置が解かれるという。自己健康管理中は厳格な個人防疫措置を講じることが求められる。外国人の入境禁止措置も継続中。

 昨年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられており、市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう昨年1月下旬からマスク有償配給制度が現在まで継続実施されているほか、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布、各種中小企業支援措置といった民生、経済支援対策にも乗り出している。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受ける必要が生じる。最近、中国北方で市中感染例が確認される再流行事例が相次いでおり、中リスク地域の追加指定が相次いでいる。地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定されるが、比較的広い区域や、大都市全域が対象となるような例もある。マカオ政府による2月9日午前0時時点の中リスク地域は下記の通り。

■河北省:石家荘市全域、邢台市の南宮市/隆堯県、保定市の定州市西城区龐白土新民居北区
■北京市:大興区天宮院街道
■黒竜江省:綏化市、チチハル市昂昂溪区、ハルビン市香坊区/道裡区/道外区/利民開発区/呼蘭区、大慶市南崗区
■吉林省:通化市、長春市の公主嶺市范家屯鎮、松原市松原経済技術開発区/寧江区
■上海市:黄浦区外灘街道轄区(昭通路居民区と貴西小区含む)、南京東路街道轄区、宝山区友誼路街道轄区、浦東新区高東鎮

 マカオ政府は春節(旧正月)ホリデーシーズンを迎えるにあたり、早い段階から外地での感染リスク及びマカオへの流入防止対策としてマカオで就労する中国本土出身の労働者に対して帰省を、市民に対して外遊を控えるようそれぞれ求めている。

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