マカオで今年2人目の在郷軍人病感染者確認…患者は潜伏期間中に中国本土渡航歴ある50歳男性

 マカオ政府衛生局(SSM)は4月27日夜、マカオで今年(2021年)2人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 SSMが発出したプレスリリースによれば、患者は男性旅客(50)とのこと。4月20日に寒気、咳、鼻水、下痢などの症状が現れ、4月23日に私立総合病院の鏡湖醫院で診察を受け、入院。同院における胸部X線検査で左肺と右中肺に肺炎の症状が確認され、尿中レジオネラ抗原検査で陽性反応が出たことから、在郷軍人病に感染していると診断された。目下、患者の容体は落ち着いており、入院治療を続けているという。

 患者は昨年(2020年)9月にマカオ入りして以来、マカオ半島にあるホテル、ウィンマカオに滞在していたとのこと。潜伏期間にあたる今年4月8日から14日にかけて、出張のため中国本土の長沙、杭州、無錫、蘇州を訪れ、当地のホテルに宿泊していたとのこと。

 在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオで確認された在郷軍人病感染者数は2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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