マカオ税関、運び屋による密輸事案を7日間で6件摘発

 澳門海關(マカオ税関)は9月8日、マカオ警察総局による指揮の下、大規模取り締まり作戦「落雷2025」を展開し、水際対策を強化して臨む中、前月(8月)29日から9月4日までの7日間にマカオと中国本土との間の主要な陸路の玄関口にあたる關閘及び横琴イミグレーション施設でいわゆる運び屋による密輸事案を6件摘発したと発表。

 発見に至った密輸品の内訳は、腕時計ムーブメント1000個、未検疫食材142キログラム、中古スマートフォン34台、中国白酒3本、電子たばこ吸引器具1個、電子たばこ用ヒートスティック117本で、未検疫食材が密輸入、その他は密輸出を企図したものだったとのこと。

 上記のうち、腕時計用ムーブメント、中古スマートフォン、中国白酒については、税関検査場の申告物なしレーン(グリーンレーン)を通過した際の通関者の歩き方が不自然だったりポケットの異常な膨らみなどから密輸品を隠し持っている可能性を察知した税関職員が呼び止め、詳細検査を行った結果、着衣の下や土産物のショッピングバッグの中に隠した密輸品を発見したもの。未検疫食材と電子たばこ関連は越境自家用車を用いたケースで、リスク管理システムによるアラートをきっかけに調査対象とした車両が1台あったという。

マカオ税関が關閘イミグレーション施設で摘発した未検疫食材の密輸事案(写真:澳門海關)

 上述の6件の密輸事案に関与した6人は29〜70歳のマカオ居民及び中国本土居民で、未検疫食材に絡む2人を衛生検疫・植物検疫規定違反で市政署、電子たばこに絡む1人をいわゆる新禁煙法規定違反で衛生局にそれぞれ引き継ぎ、残る3人を対外貿易法違反で起訴済みとした。

 一昨年(2023年)初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和に伴い、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、いわゆる運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、物品を着衣の下に隠すなどの手口や越境自家用車の悪用が目立つ。

 税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守及び報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう再三の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む考えをあらためて示した。

マカオ税関が關閘イミグレーション施設で摘発した腕時計用ムーブメントと中国白酒の密輸事案(写真:澳門海關)

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