マカオの銀行における国際業務割合がプラスに転じる…20年第1四半期

 マカオ金融管理局は5月18日、今年第1四半期(2020年1〜3月)のマカオ国際性銀行業務統計を公表。

 今年3月末におけるマカオの銀行システム総資産に占める国際資産の割合は昨年12月末から0.7ポイント上昇の85.9%で、4四半期連続ぶりのプラスに。国際負債の割合は同0.8ポイント上昇の82.9%。

 外貨はマカオの国際銀行業務における主要取引単位となっている。今年3月末における国際銀行資産と負債に占めるマカオパタカの割合はいずれも0.7%。香港ドル、米ドル、人民元、その他外貨の国際資産に占める割合は35.3%、48.3%、11.1%、4.5%、国際負債に占める割合は40.4%、45.0%、9.8%、4.1%。

 今年3月末におけるマカオの銀行の国際資産総額は、昨年12月末から6.0%、前年の同じ時期から10.5%のそれぞれ増となる1兆8197億マカオパタカ(日本円換算:約24兆4433億円)。このうち、対外資産は前年の同じ時期から10.1%増の1兆3726億マカオパタカ(約18兆4376億円)、マカオにおける外貨資産は11.6%増の4471億マカオパタカ(約6兆0057億円)。国際資産の主要構成要素である外地におけるノンバンクローンは7.0%増の6078億マカオパタカ(約8兆1653億円)。

 今年3月末におけるマカオの銀行の国際負債総額は、昨年12月末から6.1%、前年の同じ時期から11.8%のそれぞれ増となる1兆7547億マカオパタカ(約23兆5729億円)。このうち、対外負債は前年の同じ時期から17.5%増となる9412億マカオパタカ(約12兆6442億円)、マカオにおける外貨負債は5.8%増の8135億マカオパタカ(約10兆9287億円)。マカオ居民(マカオ居留権保有者)及びマカオ特別行政区政府による各種外貨預金が国際負債の主要な構成要素となっており、今年3月末における残高は前年の同じ時期から4.0%増の7024億マカオパタカ(約9兆4361億円)。

 マカオの国際銀行業務は主にアジア及びヨーロッパに分布している。今年3月末におけるマカオの銀行システムの対外資産のうち、対中国本土及び香港の債権が占める割合が38.3%、29.0%を占め、英国及びポルトガルは1.5%及び1.0%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が1.4%及び7.4%。対外負債全体に占める対香港及び中国本土の割合は47.1%及び23.7%、英国及びフランスが5.5%及び3.2%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が0.6%、11.4%。

 マカオ国際性銀行業務統計は国際決済銀行(BIS)が提唱する方法で作成されたもの。

マカオ金融管理局ビル(資料)―本紙撮影

マカオ金融管理局ビル(資料)―本紙撮影

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