マカオ、35日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると124日連続=入院患者全員退院済みで死亡例ゼロ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月31日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は35日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に124日連続ゼロだったと発表。

 これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目の入院患者ゼロ状態に入っている。

 一度目、二度目とも海外からの帰国ラッシュに伴う新規の輸入性症例によって記録が途切れた。海外からの帰国者のためにマカオ政府が1ヶ月間にわたって香港国際空港とマカオの間で運航した高速船の特別便は当初予定通り7月16日で運航を終了。帰国者1767人のうち新規感染確認は1人にとどまり、感染率は0.05%だった。なお、3月に実施した15日間の専用バスによる支援を含む一度目の帰国ラッシュでは帰国者約4000人のうち新規感染確認は35人で感染率は0.9%に上った。

 目下、厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。条件の一つとなる広東省内の移動可能地域が29日午前6時から広東省全域に拡大となっている。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足。市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。

 マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。マスクの有償配給はこれまで19回にわたって実施され、累計販売枚数は約1.08億枚。31日から第20回の販売がスタートした。

 このほか、政府は医学観察(14日間の隔離検疫)実施施設として借り上げるホテルを見直すことを明らかにした。全約4000室のうち最大約2000室分を確保しているコタイ地区の大型IR(統合型リゾート)サンズコタイセントラルに併設する5つ星ホテル「シェラトングランド・マカオ,コタイストリップ」を8月中旬をめどに解除し、8月1日からマカオ国際空港に隣接する4つ星ホテル「ゴールデン・クラウン・チャイナ」を再指定し、全300室のうち250室分を確保するとのこと。ホテルの見直しを行う理由について、隔離検疫の対象者が減少すると予想される中、規模の小さいホテルの方が適していることを挙げた。隔離検疫用ホテルは3月末から4月頭のピーク時に12軒、約4500室分に上った。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年7月31日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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