香港、新型コロナ市中感染確認10日連続ゼロ…輸入性は17人、インドネシアから香港海域入りした貨物船の乗組員が大半=8/27

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があった。

 香港政府の発表によれば、8月27日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は17人で、いずれも輸入性(海外からの入境者)のケースとのこと。市中感染確認例は10日連続ゼロとなった。

 輸入性の患者17人のうち15人はインドネシアから出発し、8月24日に香港海域に入った貨物船「Thor Monadic」号の乗組員。同船には23人の乗組員がおり、8月20日に咳などの症状が1人に出現したという。感染確認された15人は全員L452R変異株で、医療機関へ搬送された。残る8人については船上での隔離検疫及び検査が行われる。

 その他の2人はアゼルバイジャン(ドバイ経由)とリトアニア(ドイツ経由)から空路で到着。それぞれ今月23日に香港へ入境して以降、隔離検疫のための指定ホテルに滞在しており、隔離検疫期間中の検査で発見に至った。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人という。

 香港における過去14日間(8月13〜26日)累計の新規感染確認は52人で、内訳は輸入性事案が50人、市中事案が1人(感染経路不明)、輸入関連性事案が1人。ここまでの累計感染確認数は1万2095人(擬似事案1人含む)。

 香港の8月26日午後8時時点のワクチン接種率は59.9%(1回目の接種完了)、48.3%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は728万7817回、1日あたり接種回数は6万0528回(7日移動平均値5万8088回)。香港ではワクチンが充足している状況で、9月末までに政府が免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割を突破できる見通し。

 このほか、英国衛生当局から香港衛生当局に対し、香港から渡英した女性1人が現地で感染確認(無症状)されたとの通知があったとのこと。女性は8月15日に香港から英国へ向かい、出発2日前に香港で受けたウイルス検査結果は陰性だったが、英国到着後の8月20日に受けた検査で陽性反応が出たという。香港で新型コロナワクチン「コミナティ」(日本でファイザーと呼ばれているもの)を2回接種済みだったとのこと。香港衛生当局では、潜伏期間中に香港滞在歴があることから、この女性の香港の住居及び勤務先周辺を強制ウイルス検査の対象とした。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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