マカオ税関、3日間で運び屋による密輸事案5件摘発…大量の牛もつや中古スマホなど

 澳門海關(マカオ税関)は10月23日、各イミグレーション施設における税関検査を強化するとともに、ITを補助法執行手段として活用するなど厳格な体制で臨んだ結果、同月20日から22日までの3日間で運び屋による密輸事案(密輸入及び密輸出)を計5件(うち3件が越境自家用車によるもの)摘発したと発表。

 発見に至った密輸品の内訳は高級食材(乾物等)294キログラム、牛もつ460キログラム、フルーツ120キログラム、中古スマートフォン145台とのこと。

 税関検査場通過時の歩行動作が不自然だった人物を呼び止めて詳細検査をしたところ密輸品の中古スマートフォンをラップで身体に巻きつけていたことが発覚したり、リスク管理システムによる警戒アラートにより調査対象とした越境自家用車の後部座席やトランクなどに隠されていた大量の密輸品が発見に至るケースなどあり、いずれも無申告で持ち込みを企図し、輸出入に必要な書類を提示できず、税関の調査に対して報酬を得て運び屋行為に関与したことを認めたという。

身体にラップで巻き付けて中古スマートフォンの密輸を図った事例(写真:澳門海關)

 5件の密輸事案に関与した5人はマカオ居民2人、香港居民2人、中国本土居民1人(35〜49歳)で、税関では全員を対外貿易法違反=最大5万パタカ(約93万円)の罰金=で起訴済みとした。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、冷凍肉、乾物、コスメ・スキンケア用品などが目立つ。

 税関では、今後も継続して水際における警戒を強化して臨むとした上、市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を得て違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に関与しないこと、さらにはリスク回避のため来歴不明の食品の購入を避けるよう累次の呼びかけを行った。

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来が増えている状況。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた牛もつ(写真:澳門海關)

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