マカオカジノIR運営MGMチャイナが2023年3Q業績発表…純収入など複数指標がコロナ前上回る

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は11月9日、今年第3四半期(2023年7〜9月)の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、同社の今年第3四半期の純収入は約64億香港ドル(日本円換算:約1237億円)で、2019年同時期から10%増。調整後EBITDAについても約19億香港ドル(約367億円)、2019年同時期の122%。また、マス事業への集中と営業効率アップにより、調整後EBITDAマージンは2019年同時期の26.8%から29.6%まで上昇したという。

 今年第3四半期におけるカジノ売上(カジノ粗収益/GGR)の市場シェアは2019年同時期から4.8ポイント上昇の14.3%となり、内訳はMGMマカオが6.4%、MGMコタイが7.9%。

 今年第3四半期の同社施設の訪問客数は2019年同時期の121%、また単日GGRは同101%、スロットマシンを含むマスゲーミング部門(いわゆる平場)に限ると137%に達した。

 財務状況についても、今年第3四半期末時点の総流動資金は約182億香港ドル(約3517億円)と安定を維持しているとした。

 マカオのGGRは今年10月に新型コロナの影響が生じて以降の単月最多を更新したが、同社の10月の市場シェアは15.5%まで上昇し、今年1〜10月平均では14.8%という。

 マカオでは、今年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。MGMチャイナは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。

 同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となり、業績回復を後押ししているとみられる。同社は今年第3四半期の業績発表にあたり、マカオのツーリズム市場が回復し、またダイバーシティ化も進む中、引き続きリソースの投下とカジノの最適化を図り、またさまざまなイベントを開催することで収益を増やし、オールラウンドなツーリズム体験で国際旅客を呼び込みたいとした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は12月1日、マカオ検察院所属のバイクを壊したとして50代のロシア人の男を加重器…
  2.  マカオ政府財政局(DSF)が12月1日に公表した最新統計によれば、今年(2023年)11月前半の…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は11月30日、各イミグレーション施設でIT技術の活用を含む検査体制の強化…
  4.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は12月1日、今年(2023年)11月の月次カジノ売上(粗収…
  5.  マカオ治安警察局は11月29日、同月26日にマカオ半島旧市街地の路上で20代のマカオ人女性2人の…

ピックアップ記事

  1.  マカオ航空日本支社の発表によれば、現在成田路線を週4便(火・木・土・日曜)で運航しているが、今年…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  マカオで年に一度開催されるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」。1954年にスタートした歴…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオでは、2019年12月に初の軌道系大量輸送機関として新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年12月号
(vol.126)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun