マカオ大卒業式荒れる―学者迫害問題引き金

6月21日にマカオ大学横琴キャンパスで開催された同校の学位授与式で、式典最中に政治的メッセージを掲げた学生が退席処分となり、その様子を撮影していた地元記者と警備員がもみ合いになる事態が発生。先週、地元メディアが大学に勤務する学者6名に対する当局による言論弾圧があったとする報道が引き金となったものとみられる。

式典が行われる中、女子学生が「支持學者發聲 Please Stop Persecution of Scholars(日本語:学者の発言を支持する。学者への迫害をやめてください)」と書かれたプラカードを掲げた際、大学側が退場を命じられた。この様子を取材していた地元メディア記者と警備員がもみあいになった際、記者が負傷した。

マカオ大学側は退場措置について、式典の円滑な進行を行うためだったとし、正しい判断だったとしている。また、警備員と学生、記者らの衝突については深い遺憾の意を表明している。同時に、マカオ大学としては学術及び言論の自由を尊重するとした。

マカオ特別行政区の崔世安行政長官も22日、あらためて言論及び報道の自由を尊重する声明を発表。マカオ政府社会文化司の張裕司長もマカオ当局としてマカオの大学が行う研究に対していかなる干渉もしていないと語っている。

事件の引き金となった先週の報道については、マカオ政府に対して批判的な学者6名が大学側から様々な形の圧力を受けているとのものだった。なお、現在のところ具体的な迫害の内容は明らかになっていない。

マカオ大学はマカオ特別行政区の公立総合大学で、学生数約8,500名。今年2月から横琴新区の新キャンパスに移転した。

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