マカオ、カジノリスボアがフロア拡張へ…衛星カジノのクローズに伴いゲーミングテーブルとスロットマシン集約

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、香港上場のSJMホールディングス(澳博控股)は8月28日、子会社のSJMリゾーツ(澳娛綜合)が支配株主のSTDM(澳娛)からマカオ半島の中区に位置するホテルリスボア(葡京酒店)の約7504平米分のフロアについて、5.29億香港ドル(日本円換算:約100億円)で取得する契約を締結したと発表。

 SJMホールディングスによれば、今回のフロア取得はグループの中核的なカジノ施設における資産配分に関する戦略的な措置であり、収益性の向上と運営効率の改善が目的とのこと。今回取得するフロアについては、かつてカジノエリアとして使われていたところで、今後は既存のカジノリスボアの拡張部とする予定という。

 マカオでは、衛星カジノと呼ばれるカテゴリーが(2025)年末までにすべてクローズすることが決まっており、同社グループは当該カテゴリー最大手として知られる。同社グループでは、衛星カジノのクローズ後に移管されるゲーミング(カジノ)テーブル及びスロットマシンをグループの旗艦施設のひとつにあたり、高い集客力を持つカジノリスボア(葡京娛樂場)へ再配置することで、全体的な効率性をさらに向上させたい意向とした。

 目下、ホテルリスボア及び隣接地に建つグループ施設のグランドリスボアホテル(新葡京酒店)では大規模リノベーションが進められている。

マカオ半島中区に位置するホテルリスボアの外観(資料)=2024年8月本紙撮影

 このほか、SJMホールディングは同日、今年中期(2025年1〜6月)の監査前業績を発表。

 グループの今年中期の純収益は前年同時期から6.1%増の146.39億香港ドル(約2761億円)、ゲーミング(カジノ)粗収益(GGR)は5.7%増の136.28億香港ドル(約2570億円)で、マカオ全体のカジノ市場に占めるシェアも0.4ポイント拡大の12.9%。

 一方、親会社株主に帰属する利益(損失)は1.82億香港ドル(約34.3億円)のマイナスとなり、マイナス幅は0.2億香港ドル(約3.8億円)拡大。調整後EBITDAについても5.1%減の16.46億香港ドル(約310億円)、調整後EBITDAマージンは1.4ポイント縮小の11.2%に。

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