マカオ税関が密輸電子製品の供給拠点を摘発…未成年者の運び屋従事も発覚

 澳門海關(マカオ税関)は8月30日、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2025」を展開する中、同月29日、マカオ半島北部に所在するビル内に開設された運び屋向け商品供給拠点1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。

 マカオ半島北部については、中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近い位置にあることから、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロール及び摘発を行っている。

 29日午後、關閘イミグレーションのマカオ側から中国本土側へ向かう出境ルート上にある税関検査場でバックパック内に中古スマートフォン30台を隠して通過しようとした運び屋の女の発見に至り、調査を経て商品を供給した店舗を突き止め、摘発に着手。店内には責任者の女1人がおり、捜索の結果、中古スマートフォン300台、中古ノートパソコン100台、中古プロジェクター9台の発見に至ったという。

密輸品の供給拠点に対する摘発の様子=2025年8月29日(写真:澳門海關)

 当該店舗の責任者の女は37歳、運び屋の女は16歳で、税関では店舗の責任者の女が運び屋を組織してマカオから中国本土への密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを企図し、また発見に至った商品の出どころを証明する書類を提示できなかったとし、対外貿易法違反で起訴するとともに、営業許可証なし運営も判明し、財務局が調査を進めるとのこと。運び屋の女についても、輸出に必要な書類を提示できなかったとして対外貿易法違反で起訴し、未成年者であることから、保護者に連絡した上、教育当局がフォローアップを行うとした。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した一昨年(2023年)の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。未成年者が関与するケースも相次ぎ、社会問題化している。

 税関では、市民に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう繰り返し呼びかけを行っており、今後も取り締まり戦略を随時調整しながら全力を挙げて運び屋行為の撲滅に取り組む考えを示した。

密輸品の供給拠点に対する摘発の様子=2025年8月29日(写真:澳門海關)

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