マカオ、年初来13例目の輸入性デング熱感染確認…患者は渡航先の広東省浮雲市で何度も蚊に刺さたと説明
- 2025/9/4 10:20
- 社会・政治
マカオ政府衛生局(SSM)は9月4日未明、同月3日にマカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1例確認したと発表。マカオにおけるデング熱感染例出現は8日ぶり、今年(2025年)の年初来で13例目。
患者はマカオ半島北部・中心街にあるマンション「永寧廣場(タワー4)」に居住するマカオ人の男性(74)で、今年7月7日から8月29日にかけて広東省浮雲市に滞在し、現地で何度も蚊に刺されたと説明。患者はマカオへ戻った後、9月1日に下肢の発疹と眼底痛の症状が現れ、3日まで持続したことから、自宅近くの黒沙環衛生中心(クリニック)を受診。この際に受検した検査結果が同日夜に明らかとなり、デング熱1型に感染していることが確認されたとのこと。
目下のところ患者の容体は安定しており、入院治療を受けるという。なお、患者と同中の家族に体調不良は出現していないとした。
同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性感染例と判断。患者の自宅及び主な活動場所周辺で予防措置として蚊の駆除及び蚊の発生源の調査・除去作業を実施する予定。
デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症。一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年は今回のケースを含めて当地感染が1例、輸入性が13例。
マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時にデング熱及び最近周辺地区で流行が見受けられるチクングニア熱への予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査・駆除を強化して臨んでいる。
年初来のマカオにおけるチクングニア熱感染確認例は、当地感染が2例、輸入性が12例となっている。
